(CNN)  ロシアが中国空挺(くうてい)部隊への装備や訓練の提供に合意したことが、有力シンクタンクの精査を経た流出文書から明らかになった。中ロ両国の軍事的な協力関係が一段と深化している状況が浮き彫りになった。

ハッカー集団「ブラックムーン」が流出させ、英シンクタンク「王立防衛安全保障研究所(RUSI)」が検証した文書によると、ロシアは2023年、強襲車両や対戦車砲、空挺装甲兵員輸送車を含む軍装備品を中国人民解放軍(PLA)に売却することに合意した。

RUSIが精査した800ページ近い契約書や添付資料によると、装甲車には中国の通信機器や指揮統制装置が搭載され、ロシアはそれらを使用する中国空挺部隊の訓練に当たる方針だった。

RUSIによる文書の精査からは、ロシアは合意した条件の下、中国が同様の兵器を自前で製造できるように技術移転を行う見通しだったことも明らかになった。

中国・北京の天安門前で行われた第2次世界大戦終結80周年記念の軍事パレード=3日/Alexander Kazakov/AP
中国・北京の天安門前で行われた第2次世界大戦終結80周年記念の軍事パレード=3日/Alexander Kazakov/AP

合意が完全実行された場合、中国の空挺機動能力は強化されることになる。空挺能力はロシア軍が依然PLAの優位に立つ数少ない分野のひとつ。RUSIの専門家によれば、この分野が改善すれば、台湾を制圧するという中国の目標達成に向けた一助になる可能性があるという。

RUSIのオレクサンドル・ダニリュク、ジャック・ワトリング両研究員は今回の合意に関する分析で、「ロシアは中国特殊部隊が秘密裏に他国領土に侵入するための装備や訓練を供与している。台湾やフィリピン、その他の東アジア島嶼(とうしょ)国に対する攻勢の選択肢を提供するものだ」と記した。

CNNは流出文書を独自に確認しておらず、合意が完全実行されたかどうかは不明。CNNは中国国防省にコメントを求めている。

ロシア海軍と中国海軍の艦艇が、日本海で行われた軍事演習「オケアン2024」に参加する様子=24年9月16日/Russian Defence Ministry/Reuters
ロシア海軍と中国海軍の艦艇が、日本海で行われた軍事演習「オケアン2024」に参加する様子=24年9月16日/Russian Defence Ministry/Reuters

ロシアと中国は1990年代から武器取引を行ってきたが、プーチン大統領と習近平(シーチンピン)国家主席が接近するにつれここ10年で一段と軍事協力関係が強固になっており、米政権内では警戒が高まっている。

先月には習氏とプーチン氏、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が中国での軍事パレードで並び立ち、米国やその同盟国に対抗して前例のない連帯を誇示していた。

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