福井中3殺害事件の再審無罪が確定し、笑顔で記者会見する前川彰司さん
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 1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件で殺人罪に問われ、服役した前川彰司さん(60)の再審無罪が1日、確定した。名古屋高裁金沢支部の再審判決について検察側が同日、上告する権利を放棄した。事件を巡っては一審無罪が二審で逆転有罪となるなど司法判断が二転三転した。事件発生から39年。冤罪(えんざい)が晴れた前川さんは記者会見で「良かったが、多くの犠牲を払った」と話した。

 昨年10月、静岡県一家4人殺害事件で死刑となっていた袴田巌さん(89)の再審無罪が確定。近年、再審無罪が続いており、制度改正の議論に大きな影響がありそうだ。

 名古屋高検の浜克彦次席検事は、再審判決で検察側の証拠隠しが認定されたことを踏まえ「裁判所の指摘を重く受け止め、検察としても真摯(しんし)に反省し、教訓とすべきだと考える」と述べた。福井県警の増田美希子本部長は「判決を重く受け止め、疑念が抱かれることのないよう、緻密かつ適正な捜査に努めていく」とした。

 前川さん側は今後、身体拘束への刑事補償金請求や、冤罪の責任を問う国家賠償請求訴訟を起こすことを検討する。

 7月18日の高裁金沢支部判決は、有罪の根拠になっていた「事件後、前川さんの服に血が付いているのを見た」といった知人らの証言は信用できないとし、無罪の結論を導いた。

 前川さんは事件翌年に逮捕され、一審無罪だったが、二審で逆転有罪となり、その後確定。服役後に再審請求し、2度目の請求で昨年10月、再審開始が決まった。

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