2025年7月19日 午前7時30分
【論説】「就労体験」を「学び」と位置づけた丸岡高(坂井市)の「就労探究講座」が8月に始まる。生徒が自分でテーマを設定して自由に学ぶ教科「みらい」の一環で、まずは14人が報酬を得て体験する。初の試みだけに、同校も、受け入れる坂井、あわら両市内の5事業者も手探りでのスタートになる。単なるアルバイトに終わらせず、生徒たちが自分の適性を知り、将来についてより深く考える機会になってほしい。
「報酬を伴うということは、お試し的なインターンシップとは違い責任が大きくなる。苦労することも当然ある。働くとはどういうことか、リアルを学ぶことができる」。同校は、県内では珍しい就労探究の狙いを強調する。
講座のきっかけになったのは同校が3月、キャリア教育推進を目指して坂井市とプロバスケットボールBリーグ2部の福井ブローウィンズ(BWS)と結んだ連携協定。福井BWSはオフィシャルパートナー企業に協力を呼びかけ、生徒の就労体験以外にも、企業の課題解決策を生徒と一緒に考える取り組みを進めている。県内にも魅力的な企業は数多くある。連携する3者はそれらを生徒たちが知る機会をつくり、「将来、福井で活躍したい」と思う生徒を増やすことを大きな目標とする。
今回、生徒たちが体験するのは看護補助者や介護職員の補助業務、カフェやショップスタッフ、事務アシスタント、イベントスタッフなど7種類。期間は1~10日間の予定だ。
病院での体験を希望した1年女子は「将来看護師になりたい。命を預かる仕事の大変さを学び、将来に生かしたい」、カフェショップを選んだ別の1年女子は「人と接するのが好き。自分に何が向いているのかを知って可能性を広げたい」と、将来を見据えた「挑戦の場」ととらえている。
受け入れ側の期待も大きい。木村病院(あわら市)は関連の福祉施設と計2カ所で3人を受け入れる。「医師と看護師以外にも薬剤師やリハビリ、調理担当者もいる。中から見てもらい、やってみようかなと興味を持ってもらいたい」と担当者は語る。人手不足で、地域医療を支え続けるためにも若い人材への期待は大きい。今回の体験で医療、福祉へ進路を決めるきっかけになる可能性があり「こちらとしても力が入る」という。
同校では地域と連携したまちづくり活動が盛ん。地域愛の強い生徒たちが育っている。今回の取り組みはその延長線上にあり、企業と連携した人づくりだ。ただ一朝一夕に実現できるものではない。生徒たちがどう学び、感じたか。しっかりした検証も必要になる。
