
大雨災害をテーマに講演する石川高専の大橋慶介教授(左)=津幡町井上コミュニティプラザで
(中日新聞Web)
「情報使い慣らすこと大事」 2023年7月に津幡町を襲った線状降水帯による豪雨を基に大雨災害をテーマにした講演会が、同町井上コミュニティプラザであった。講師は石川工業高等専門学校(同町)の環境都市工学科の大橋慶介教授。近年の大雨災害の傾向などを説明したほか、梅雨の時季を中心に大雨への備えとして「普段から防災情報を確認するように」と呼びかけた。(栗田啓右)
線状降水帯の豪雨は23年7月12日に発生。人的被害はなかったが、町内では河川の氾濫などで、道路や約370棟の住宅が浸水の被害を受けた。
大橋教授は豪雨当日の雨の降り方を解説。線状降水帯の発生は夜だったが、その日は昼間も雨が降り、川の水量が増えていたため「被害が起きやすくなった可能性がある」と分析。降雨量を比べると、都市部の下流域で多く、山間部の上流域では比較的少なかったが、「もし上流域での雨量がもっと多かったら、被害が拡大した恐れがあった」と推測した。
近年の気象データも提示。金沢市の年間合計降水量はここ数十年で大きな変化はないが、1時間に50ミリ以上の降雨回数は増えており、大橋教授は「豪雨の日と、雨が降らない日の両方が増えていて、極端気象になっている」と強調した。
地域の水害リスクを把握する方法として、ハザードマップや気象庁の「キキクル」など災害情報の活用を紹介。水が集まって増える河川合流点や、水がたまりやすい低平地など、水害リスクが高い地形を地図から読み取れることも説明した。「これらの情報を使い慣らせるようになるのが大事」と話し、常時から防災情報に触れるなど関心を高めるよう呼びかけた。
今後も地球温暖化などの影響で豪雨災害が増えることが予想されており、「災害時の避難の方法に正解はないが、早めの避難に越したことはない」と大橋教授。普段から災害時のシミュレーションをする重要性を説いた。講演は井上公民館が主催する市民講座「さざなみ大学講座」の一環。地元住民約30人が参加した。
