台湾中央銀行の楊金龍総裁は8日、米財務省から為替操作国と認定される可能性を否定した。
楊総裁は立法院で「台湾が為替操作国と認定されることはないと確信している」とし、台湾の為替介入は、米国が基準とする国内総生産(GDP)比2%を超えてはいないと強調した。
台湾ドルは2日間として1980年代以来最大の上昇を記録した後、安定している。楊総裁が5日、為替相場について無責任な観測を控えるよう市場関係者に求めたことで、上昇が一服した。
台湾ドルが急上昇していた背景には、輸出企業が米ドル売りを急いだことがある。米国との貿易協定締結を目指す台湾当局が台湾ドル高を容認するとの観測が一因だ。
台湾の生命保険会社が米国債保有をヘッジする動きも台湾ドル高に拍車をかけた可能性がある。台湾の生保はアジア有数の米国債保有者で、生保が保有する海外資産約23兆台湾ドル(約110兆円)のうち、米国債はかなりの部分を占める。

楊総裁は8日、米国は台湾ドル高を求めておらず、「過度に強い」市場の期待が相場を動かしていると重ねて表明。さらに、台湾ドル高による経済への影響は軽微だとし、過去に1米ドル=30台湾ドル付近に台湾ドル高・米ドル安が進んだ際の事例に言及した。
ING銀行(香港)のチーフエコノミスト(大中華圏担当)、リン・ソン氏は「台湾中銀は観測によって過度な為替変動が生じることがないよう引き続き取り組む見込みだが、市場要因を踏まえると、中銀だけが為替相場の方向性を決められるわけではない」と指摘。
「もし米ドル安の流れが続けば、台湾ドルが一段高となる可能性も否定できない」と続けた。
原題:Taiwan Doesn’t Expect to Be Named Currency Manipulator by US (1)(抜粋)
