ドゥカティの新型パニガーレV2「従来型より最高出力35psダウンだが、車重は17kg軽くなった」

【画像12点】「890cc新型V2エンジンや新設計のフレーム」ドゥカティ新型パニガーレV2 Sのメカニズムを写真で解説

はじめに──新型パニガーレV2の登場は、ドゥカティにとって重要なだけでなく、バイク業界全体にも大きな意味を持つトピックだ。なぜなら、活況を呈しているミドルウェイトスポーツ(レース用語では「スーパースポーツ」)のマーケットでの確固たる地位を確立するため、ドゥカティは「これまでに生産した中で、最高のドゥカティ・スポーツバイク」と主張しているからだ。これが業界に大きな衝撃をもたらさないはずがない。

この主張に最も驚かされるのは、新型パニガーレV2が大方の予想のようにパワーアップしたエンジンではなく、従来型エンジンである『スーパークワドロ』より最高出力が35psも低い、最高出力120psのV型2気筒エンジンを搭載していることだ。新型スポーツバイクは、従来型より軽量でパワフルなもので、これはスポーツバイクの常識だ。しかし、新型パニガーレV2がその常識を覆したのである。

そう聞くと、パニガーレV2は進化ではなく退化したかのように思える。もちろんそんなことはない。近年、再び加熱してきたミドルウェイトスポーツバイクの決定打を与えるべく、ドゥカティは従来型よりも17kgも軽いパニガーレV2を開発したのだ。新型の車重(燃料除く)は、スタンダードは179kg、Sモデルはわずか177.6kgだ。ドゥカティによれば、これはクラス最軽量だという。

この軽量化は、35psのパワーダウンを補って余りある結果をもたらした。元レーシングライダーがヴァレルンガ・サーキットで行った走行テストでは、従来型パニガーレV2とほぼ同じタイムを記録している。サーキット慣れしているアマチュアライダーの場合では、新型のほうがわずかに上回ったという。

この要因について、ドゥカティは「軽量化した車体と扱いやすさを重視したエンジン、人間工学に基づいたライディングポジションの最適化、そして新開発のモノコックフレームと電子制御デバイスの相乗効果です」と説明する。

さらに「平均的なライダーでも、新型パニガーレV2ならラップタイムを縮めることができ、さらに肉体的疲労も抑えられます」と続ける。

ここまで聞いてはじっとしていられない。私は一刻も早く新型パニガーレV2に乗りたくてうずうずしていた。数年前まで下火だったミドルクラスのスポーツバイクは、ホンダ CBR600RRやカワサキ ニンジャZX-6Rといった伝統的な並列4気筒マシン、そして並列3気筒エンジンのトライアンフ ストリートトリプル765RSなどで活気づいている。そうしたなか、ヤマハは2025年モデルとして並列3気筒エンジンを積むYZF-R9を出してきた。俄然、このクラスが面白くなっている。

そして私たちはスペイン南部のセビリア郊外にある完成したばかりのサーキットに向かい、新型パニガーレV2を限界まで走らせたのだ。

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