メキシコ政府は、トランプ次期米大統領が同国とカナダに25%の関税を課せば、米経済では最大40万人の雇用が喪失し、消費者物価の上昇を招くとの見方を示した。

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メキシコのシェインバウム大統領(左)とエブラルド経済相

Photographer: Yuri Cortez/AFP/Getty Images

  メキシコのエブラルド経済相は27日のシェインバウム大統領との共同記者会見で、新たな関税はゼネラル・モーターズやフォード・モーターなどメキシコで活動する米自動車メーカー各社に主に打撃を与えると指摘。米国で販売されるピックアップトラックの88%がメキシコで製造されているが、「われわれの予測では、これらの車両の平均価格が1台当たり3000ドル(約45万円)上昇する」と述べた。

  エブラルド氏はトランプ政権1期目中に北米での対立的な貿易交渉を経験している。

  メキシコはトランプ氏による新たな関税を巡る脅威への対応を強化。当局者によると、メキシコ政府には欧州連合(EU)との貿易協定を推進し、ブラジルとの商業関係を改善する計画もあるという。

  トランプ氏は、合成オピオイドの一種フェンタニルと不法移民が国境を越えて米国に流入するのを止めるまで、カナダとメキシコからの輸入品に関税を賦課するとしている。シェインバウム氏は27日、移民やフェンタニルなどの問題についてトランプ氏と話したことをX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。

  シェインバウム氏は26日には、メキシコが脅威に対し関税で対抗する可能性があると示唆し、経済に悲惨な結果をもたらすと警告。トランプ氏の脅しに対する最初の反応として「関税が課されれば関税で対応することになり、それは企業をリスクにさらすまで続く」と述べた。

  27日午前の記者会見では、メキシコ政府が報復関税の詳細を詰めていると明かした。「われわれは段階的に進め、さまざまなシナリオを用意しなければならない。短期および長期の計画が必要だ」と語った。

  こうした中、メキシコ・ペソは一時0.6%安の1ドル=20.78ペソを付け、週間の下げ幅を広げた。

  マッコーリー・グループの世界通貨・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は27日付けのメモで、メキシコ・ペソには一段の下げ余地があり、来年末には21.75ペソ付近に達する可能性があると指摘。トランプ氏の大統領就任初日に「メキシコまたはカナダに実際に関税が課されるとは思えないが、メキシコによる譲歩は同国の対外収支にとって有益ではない」とコメントした。

  それでもシェインバウム氏は、トランプ氏がメキシコ経済における米国の役割を抑制するとは予想していないと発言。また、メキシコは中国からの輸入削減を模索しているものの、同国とは良好な関係にあるとコメントした。

  さらに、シェインバウム氏はメキシコから米国への不法移民阻止に関する進捗(しんちょく)状況をトランプ氏のチームに確実に知らせるとし、「不可欠な」移民対策に取り組んでいると表明。同時に米国からの最終的な強制送還がもたらす影響に関する報告書も準備していると明かした。

原題:Mexico Warns Trump His Steep Tariffs Will Hammer US Economy (2)(抜粋)

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