小林製薬(大阪市)が「
紅麹(べにこうじ)
」成分入りのサプリメントを巡る健康被害を公表して1か月が過ぎた。問題のサプリの原料から「想定しない成分」として検出されたプベルル酸について、紅麹菌には生成できないと複数の専門家が指摘していることがわかった。他のカビなどの異物が混入した可能性が高まり、製造工程の検証がカギになる。
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プベルル酸は、七つの炭素が輪っか状につながった「七員環」と呼ばれる特殊な構造で、同社も3月下旬の記者会見で「(構造は)輪っかのようなもの」と説明していた。1930年代に青カビの仲間から見つかった成分だが、青カビ以外の紅麹菌などが生成する可能性も残されていた。
発酵食品メーカーで約30年間、紅麹菌由来の色素を作らせやすくする研究などに取り組んだ園田学園女子大の渡辺敏郎教授(食品学)は「紅麹菌が産生する色素などは六つの炭素が輪になった構造で作られている。長年の研究の中で、七つの炭素が輪になったような構造物を紅麹菌が作るという報告は聞いたことがない。他のカビなどの混入と考えるのが自然だ」と話す。 また、紅麹菌について小林製薬と共同研究を行った奈良先端科学技術大学院大の金谷重彦教授(生物情報学)は、同社が扱っている紅麹菌のゲノム(遺伝情報)のデータを精査し、プベルル酸の構造を作れないことを確認したという。 金谷教授は「プベルル酸の生成には特別な酵素(たんぱく質)が必要で、現状では青カビでしか報告されていない」と指摘する。 厚生労働省は19日、所管する国立医薬品食品衛生研究所が改めて原料を分析した結果、プベルル酸に加え、少なくとも2種類の成分が検出されたと発表した。いずれも詳細は分析中という。
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