囲碁界の最高位を争う第49期棋聖戦(読売新聞社など主催、特別協賛・サントリーホールディングス)のSリーグが5月2日に開幕する。すでにA、B両リーグは熱戦が始まっており、Cリーグ入りをかけた予選トーナメントも佳境を迎えている。各リーグ戦と挑戦者決定トーナメントを制し、4連覇を目指す一力遼棋聖(26)への挑戦権を手にするのはどの棋士か。片岡聡九段(65)に展望してもらった。(文化部 川村律文)
挑戦者を待ち受けるのは一力遼棋聖。前期七番勝負では井山裕太王座の挑戦を退け、3連覇を達成した
4段階リーグに計62人が参加…昇格や陥落、激しい戦い リーグはS、A、B、Cの4段階で行われ、計62人が参加する。 最上位のSリーグは6人。余正麒八段が復帰し、孫喆七段が初参戦を果たした。 Aリーグは8人。安達利昌七段、呉柏毅六段、林漢傑八段、広瀬優一七段が昇格した。持ち時間は各4時間だ。
16人で争うBリーグは、1組、2組に分かれ、各組1位が優勝決定戦を行う。平田智也八段、小山空也六段、佐田篤史七段、横塚力七段、本木克弥八段、柳時熏九段の6人が昇格した。 Cリーグは32人で、優勝者を含む6人が昇格する。3敗した時点で失格となる。半数の16人は予選トーナメントからの勝ち上がりだ。 アマチュア棋戦「ネット棋聖戦」からは4人が予選トーナメントに出場したが、いずれも敗退している。 Sリーグの優勝者と準優勝者、A、B、Cリーグの優勝者が、挑戦者決定トーナメントに進む。Sリーグ 対局スケジュール
1位・井山王座
2位・許九段
3位・芝野名人
4位・高尾九段
5位・余八段
6位・孫七段1回戦
△井山―余、許―△芝野、△高尾―孫
2回戦
井山―△孫、△許―高尾、△芝野―余
3回戦
井山―△許、芝野―△高尾、余―△孫
4回戦
井山―△高尾、許―△余、芝野―△孫
5回戦
△井山―芝野、△許―孫、高尾―△余
(△は先番、持ち時間各5時間)
Aリーグ
※数字はリーグ内順位
〈1〉山下敬吾九段
〈2〉河野臨九段
〈3〉富士田明彦七段
〈4〉伊田篤史九段
〈5〉安達利昌七段
〈6〉呉柏毅六段
〈7〉林漢傑八段
〈7〉広瀬優一七段
Bリーグ1組
〈1〉村川大介九段
〈2〉志田達哉八段
〈3〉羽根直樹九段
〈4〉蘇耀国九段
〈5〉張瑞傑六段
〈6〉平田智也八段
〈7〉小山空也六段
〈8〉佐田篤史七段
Bリーグ2組
〈1〉張栩九段
〈2〉鈴木伸二八段
〈3〉大竹優七段
〈4〉大西竜平七段
〈5〉洪爽義五段
〈6〉横塚力七段
〈7〉本木克弥八段
〈8〉柳時熏九段
Cリーグ
瀬戸大樹八段、小池芳弘七段、田中康湧五段、依田紀基九段、張豊猷九段、沼舘沙輝哉七段、王銘琬九段、山田規三生九段、結城聡九段、李沂修八段、村松大樹七段、藤沢里菜女流本因坊、西健伸五段、福岡航太朗五段、辻篤仁五段、表悠斗二段
(Cリーグの残る16人は、現在行われている予選トーナメントの勝者)
【片岡九段が展望】Sリーグは芝野名人、余八段、井山王座中心の争いに
リーグ戦を展望する片岡聡九段 第48期の七番勝負は一力遼棋聖が井山裕太王座を4勝3敗で下して3連覇を果たしました。この2人の対局は、力と力の激突、読みと読みの勝負になる。お互い本当に一歩も譲らずに序盤から潰れてしまうと思えるほど激しい碁なのですが、両者とも初日から着手が早かった。すごく面白いシリーズでした。 内容的には互角だったと思うんですが、一力さんはギリギリのところで防衛しました。本因坊、天元とあわせて三冠になって、いま26歳。ここ数年、充実していると思います。 一力棋聖への挑戦を目指す今期のリーグ戦ですが、Sリーグでは芝野虎丸名人に注目しています。世界戦の春蘭杯でも日本勢でただ一人ベスト8に残りました。碁を見ていても、仕掛けられる場面で厳しい手を選んで仕掛ける、積極性が目立ちます。打ちぶりも正確です。井山王座との番碁を重ねて、影響を受けた部分もあるのかもしれません。 それに続くのは余正麒八段ですね。まだ七大タイトルの獲得はありませんが、昨期の王座戦では全然引けを取らずに戦っていた。戦いの碁ですが、試合運びもうまくなって、一皮むけた印象があります。井山王座も、もちろん挑戦権争いには絡んでくるでしょうし、この3人が中心になるとみています。 孫喆七段はSリーグ初参戦です。もともと評価が高かった棋士ですが、ちょっと出世が遅れていた印象がある。着実に力をつけてSまで上がってきたので、ここで暴れることができれば、自信になる。充実の富士田七段、復調の山下九段…Aリーグ Aリーグは富士田明彦七段の調子の良さが目につきます。発想が独特で、打っている碁が魅力的。ここ2、3年は本当に充実していると思います。山下敬吾九段にも復調を感じます。力強さと迫力は昔と変わらない、魅せる碁ですね。Bリーグからの昇格組でも、若手の広瀬優一七段や、力をつけてきた林漢傑八段を含めて、実力者がそろっています。実力者ずらりのBリーグ1組、長期戦タイプぞろいのBリーグ2組 Bリーグ1組にも、村川大介九段や羽根直樹九段といった実績がある棋士がそろいました。そこに若手がどう挑んでいくかという構図でしょう。小山空也六段は初のBリーグ。もともと粘り強く崩れない碁でしたが、積極性を増して、成績が上がるようになりました。 Bリーグ2組は、じっくりした碁を好む、長期戦志向のタイプがそろった印象ですね。前期は昇格を逃しましたが、大竹優七段はバランスが良く、崩れないタイプ。洪爽義五段も明るい碁です。酒井五段、上野女流棋聖は台風の目になりそう…Cリーグ Cリーグに福岡航太朗五段、予選トーナメントにも酒井佑規五段や上野梨紗女流棋聖と、台風の目になりそうな若手がいます。どのリーグも、予選トーナメントも、本当に厳しい戦いで、目が離せません。(談)
![[棋聖戦] [第49期棋聖戦]囲碁界の頂点へ、一力遼棋聖への挑戦目指す戦い…Sリーグ5月2日開幕 [棋聖戦] [第49期棋聖戦]囲碁界の頂点へ、一力遼棋聖への挑戦目指す戦い…Sリーグ5月2日開幕](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2024/04/1713557841_20240419-OYT8I50110-1-1024x576.jpg)