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第105回全国高校サッカー選手権大会の埼玉県予選は10月31日、浦和駒場スタジアムで準々決勝があり、武南高等学校が前回王者の昌平高等学校を3-2で破った。前半に先制を許したが、後半に3点を奪ってひっくり返した。武南は11月8日の準決勝で武蔵越生高等学校と戦う。
0-1から後半24分までに3得点、武南が4強へ
試合は10月31日午前11時5分に始まった。準々決勝が大会初戦となった昌平に対し、武南は2回戦から勝ち上がっての3試合目だった。
先に好機をつくったのは武南だった。中盤に3人を並べる3バックの布陣で入り、前半9分と10分に続けてゴール前まで迫る。昌平もパスとドリブルを組み合わせて少しずつ攻勢に転じ、17分のミドルシュートや27分のボレーは武南のGKが止めた。
均衡が破れたのは前半38分。昌平が左サイドからの低いクロスを起点に先制する。0-1で前半の40分を終えた武南は、後半に入ると攻め手を増やした。
後半7分、左サイドからのシュートを相手GKがはじいたところに3年生FWの岩澤柾吾が頭で詰め、1-1に追いついた。20分には1年生の鈴木琉空が右足で勝ち越し点を決め、24分には主将のMF小山一絆がドリブルで相手をかわしてゴール右隅へ流し込む。わずか17分間の3得点で、スコアは3-1になった。
昌平も後半36分に1点を返し、その後もフリーキックやアディショナルタイムの決定機で同点を狙った。武南はGKの好守でしのぎ、3-2で逃げ切った。
後半だけで3得点。プレミアリーグEASTで戦う相手から奪った逆転勝ちだった。準優勝だった2025年度に続き、武南は2年連続で埼玉県予選の4強に名を連ねた。
試合2日前に決めた「3バック」と後半の切り替え
報道によると、武南の内野慎一郎監督は試合の2日前、昌平対策として3バックで入る布陣を決めていた。先に失点したくなかったことに加え、プレミアリーグで戦う相手のスピードに慣れる時間をつくる狙いがあったと説明している。当初は10分から15分で4バックに戻す予定だったが、試合の流れが良かったため、そのまま続けたという。
布陣を変えたのは後半の飲水タイム。同点に追いついた後、残り20分ほどで4バックに切り替え、そこから2点を加えた。内野監督は試合後、4バックに変えてから2点目が入ったことを「ドンピシャだったかな」と笑った。
昌平の芦田徹監督は、後半に両チームの布陣がかみ合い始めた時間帯について「思った以上に力負けした」と話した。
小山は試合後、先輩たちがなかなか昌平に勝てなかったことに触れ、この1週間は「ここでオレたちが歴史を変える」とチームで話し合ってきたと明かした。出場停止でスタンドから応援していたチームメートのためにも走ったという。
12年で7度敗れた相手、前年は決勝で惜敗
武南にとって、昌平は長く立ちはだかってきた相手だった。報道によると、2014年度から2025年度までの12年間で、武南は選手権予選で昌平に7度敗れている。準々決勝や準決勝での敗退が続き、2025年度は決勝で0-1と惜敗した。
埼玉県高等学校体育連盟の大会総評によると、2025年度の決勝は互いに守りが堅く、0-0のまま後半アディショナルタイムに入った。昌平が終了間際に決勝点を挙げ、武南は準優勝に終わった。全国大会へ進んだ昌平は2回戦で高知高校に4-0で勝ち、3回戦で帝京長岡高校に0-1で敗れている。
昌平は2024年の全国高校総体(インターハイ)で初優勝した強豪で、2026年は高校年代最高峰のプレミアリーグEASTに所属する。今大会でも優勝候補の筆頭に挙げられ、大会2連覇を狙っていた。その昌平が初戦で姿を消した。
小山は「ここで昌平に勝てたことは、これからの武南にとっても大きな自信になると思います」と語った。
1981年度に全国制覇、選手権は2006年度が最後
埼玉県蕨市にある武南高等学校のサッカー部は、全国に名を知られた伝統校だ。日本サッカー協会の大会記録によると、1981年度の第60回大会で韮崎高校を破って全国優勝し、1989年度の第68回大会でも準優勝した。
ただ、選手権の全国大会からは2006年度を最後に遠ざかる。今季の目標は、20年ぶりとなる全国大会への出場だ。
2026年の武南は春から結果を残してきた。埼玉県高等学校体育連盟の報告によると、5月23日、24日に茨城県で開かれた関東高校サッカー記念大会で、決勝で前橋育英高校を3-1で下し、1993年の第36回大会以来、33年ぶり5回目の優勝を果たした。大会の最優秀選手には武南の選手が選ばれている。
選手権予選での武南の勝ち上がりは次のとおりだ。
日付回戦結果(勝者)10月18日決勝トーナメント2回戦武南 4-1 所沢北(武南の勝ち)10月24日ラウンド16武南 1-0 細田学園(武南の勝ち)10月31日準々決勝武南 3-2 昌平(武南の勝ち)11月8日準決勝武南 対 武蔵越生(NACK5スタジアム大宮、午前11時5分開始予定)
ラウンド16で破った細田学園高校は、2025年度の大会で3位に入ったチームだ。この試合は前半を0-0で折り返し、10人で戦った後半のアディショナルタイムに、セットプレーから奪った1点で競り勝っている。シード校として2回戦から登場した武南は、ここまで3試合で8得点を挙げた。
準決勝は11月8日、決勝は11月15日に埼玉スタジアム2002
準決勝の相手、武蔵越生高校は同じ10月31日の準々決勝で浦和南高校に1-0で勝った。ラウンド16では浦和学院高校と0-0のまま延長でも決着がつかず、PK戦を13-12で制して勝ち上がっている。武蔵越生は10月11日の1回戦から4試合を勝ち抜き、その間の失点は0だ。堅い守りの相手に、昌平から3点を奪った武南の攻撃がどこまで通じるかが準決勝の焦点になる。
埼玉県高等学校体育連盟サッカー専門部の組み合わせ表によると、武南と武蔵越生の準決勝は11月8日午前11時5分からNACK5スタジアム大宮で行われる。もう1つの準決勝は同日午後1時35分から同じ会場で、浦和東高校と西武台高校、正智深谷高校と埼玉平成高校の準々決勝(11月1日、浦和駒場スタジアム)の勝者同士が対戦する。
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決勝は11月15日午後2時5分から埼玉スタジアム2002で行われ、勝ったチームが埼玉県代表として全国大会に出場する。
昌平を倒しても、全国切符はまだ先にある。小山は試合後、自分たちが負けたら意味がなくなると話し、残る2試合へ向けて「しっかりこの1週間で準備してやりたい」と気を引き締めた。
[文/構成 by スポーツ担当ライター Mika]
