四日市市が推し進める「JR四日市駅前大学構想」は、本市の未来の命運を握る極めて重要なプロジェクトとなります。
今回の工学系大学の設置については、少子化という表面的で短絡的な見方ではなく、四日市市がこれまで産業都市として発展してきた背景、現在の恵まれた環境を支えている産業構造、そして、未来の四日市市の産業発展をいかに考えるか等の視点が重要になってきます。
その重要性について、シリーズでお伝えしており、今回のブログはその第3弾となります。
第1弾のブログでは、経済産業省が発表している様に、2040年には就業者における理系人材の不足〔例えば、理系の大卒・院卒が124万人不足〕し、国として、将来におけるものづくりを支える人材の確保に大きな課題が生じることとなること。
その上で、産業都市として発展を遂げてきた四日市市においてはこの人材確保の課題に確実に応えていかなければならない点を取り上げました。
≪【JR四日市駅前大学構想/なぜ四日市市は工学系大学を創るのか①】将来における理系人材の大幅な不足≫
https://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12967865866.html
そして、第2弾のブログでは、文部科学省は、今年2月に発表した「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)」において、労働力需給ギャップが発生するという日本が将来抱える課題を挙げ、『2040 年時点で、普通科高校の生徒のうち、文系と理系の生徒の割合が同程度となるよう普通科高校改革を進めること』を掲げていること。
そして、この改革が推し進められれば、将来、高校における生徒数は減少するものの理系選択の生徒数は維持され、更に理系需要の高まりから、工学系大学はより必要な教育機関となることを取り上げました。
≪【なぜ四日市市は工学系大学を創るのか②】文科省:2040年の高校普通科の理・文系の割合を同程度に≫
https://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12968144255.html
今回のブログでは、三重県の大学実態について取り上げていきます。
皆さんは、「都道府県大学進学者収容力」という言葉をご存知でしょうか。
「都道府県大学進学者収容力」=都道府県の大学定員数/都道府県の18歳人口 という算式で表されます。
つまり、三重県でいうと、三重県内における18歳人口に対する三重県内の大学の定員数の割合となり、それぞれの都道府県における大学設置水準を示す指標となります。
文部科学省の調査によると2023年の「都道府県大学進学者収容力」、三重県は18.98%となり、47都道府県で最も低い水準で、18歳人口比で大学定員数が最も少ない都道府県となっています。
そして、こちらも文部科学省の調査でからですが、令和7年度の調査で、三重県の大学進学者数の約8割が県外に流出しています。
また、令和3年度の三重県が県内の高校生に対して実施した調査によると、進学を希望する大学の所在地で、”県内”と回答した生徒が約20%、”県外”と回答した生徒が約35%、”県内・県外どちらでもよい”と回答した生徒が約40%いました。
つまり、三重県の高校生の内、20~60%が県内の大学に通いたい、若しくは県内の大学に通ってもいいと考えていることになります。
これらの調査から、三重県における大学の選択肢は、極めて限られたものになっていることが言えます。
更に、工学系に注目すると、三重県で工学系を学べる大学は、現在「三重大学 工学部」津キャンパスのみとなります。
経済産業省の2024年経済構造実態調査によると三重県の製造品出荷額等は47都道府県の内、9位というモノづくり県といえます。
また、三重県北勢地域は、三重県の製造品出荷額等の約3/4を占めるモノづくり地域です。
三重県北勢地域の製造品出荷額を都道府県ランキングで比べてみると、全国で16位に位置し、東京都を超えてきます。
つまり、三重県の3/4のモノづくりが行われている〔東京都を超える製造品出荷額がある〕北勢地域に工学系を学べる大学は一つもないことになります。
モノづくりの中心地に、工学系を学べる大学が一つもないというのは、将来的な産業の発展を考えていく上でも大きな課題といえます。
この課題を解消するのが今回の『四日市産業共創大学群(仮称)』となります。

