米半導体メーカーのグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries, GFS)は、経営陣の大幅な交代を発表した。2024年2月に最高財務責任者(CFO)に就任したジョン・ホリスター氏が1年余りで退任し、後任が見つかるまで、ビジネスファイナンス・オペレーション・投資家向け広報担当上級副社長のサム・フランクリン氏が暫定CFOを務める。同社は後任選定を進めつつ、欧州と米国での生産拡張を加速させている。
経営交代の翌日、グローバルファウンドリーズはドイツ・ドレスデン工場への11億ユーロ(約1800億円)規模の新投資を発表した。この「プロジェクトSPRINT」により、2028年末までに生産能力を年100万枚以上に拡大し、欧州最大規模の半導体製造拠点となる見通しだ。ドイツ連邦政府およびザクセン州が欧州半導体法(European Chips Act)の枠組みの下で支援を予定しており、年内にEU承認を得る見込みである。ティム・ブリーンCEOはブルームバーグの取材で、「中国や台湾に依存しないサプライチェーン構築への需要増に応えるため」と述べ、地政学的リスクの回避を狙う戦略であることを強調した。
同社は欧州だけでなく、米国でも積極的に投資を拡大している。2025年6月にはニューヨークおよびバーモント州で160億ドル規模の製造・先端パッケージング拡張計画を発表。アップル、スペースX、AMD、クアルコム、NXP、GMなどの主要顧客と連携し、米国内での半導体生産回帰(リショアリング)と供給網多様化を進めている。
一方で、積極的な投資の裏で収益性には課題が残る。ロイターによると、過去4年間の調整後粗利益率は20〜30%台にとどまり、価格競争や需要変動による圧力が続いている。LSEGのデータでは、同社の2025年第3四半期(11月12日発表予定)売上高は前年同期比約4%減の16億8000万ドル、純利益は8%減の1億6540万ドルと予測されており、拡張路線と利益確保の両立が今後の焦点となる。
