震災の経験 防災に 岩手県陸前高田市と協定、和歌山県すさみ町

震災の経験 防災に 岩手県陸前高田市と協定、和歌山県すさみ町

 南海トラフ地震に備えて、和歌山県すさみ町は、岩手県の陸前高田市と災害時の相互応援に関する協定を結んだ。東日本大震災による津波で大きな被害を受け、復興に取り組んでいる同市と情報を交換し、今後の防災や復興計画に生かす。災害時には、互いに物資の提供や職員の派遣などをすることも盛り込んだ。

 陸前高田市は、2011年に起きた東日本大震災の津波で13平方キロが浸水。死者、行方不明者は災害関連死も含めて1800人以上に上る。

 震災からの復興について学ぶため、昨年11月にすさみ町の岩田勉町長らが同市を訪問。佐々木拓市長とも意見を交わし、協定について提案した。

 締結式が2日、すさみ町役場であり、岩田町長と佐々木市長が協定書に調印した。

 岩田町長は「災害が起きた時、一日も早く元の町に戻すことが自治体の使命。できるだけ犠牲を少なくするため日々取り組んでいるが、復興のために何をすべきか、町長や職員、町民はどう動けばいいのかを教えていただき、両市町にとってプラスとなる交流をしていきたい」と述べた。

 佐々木市長は、震災で多くの市民が亡くなったことに触れ、「われわれが学んだ最も大事なことは、ハード面に頼るのではなく常に災害に備えて訓練をし、災害について学びながらデータを新しくして、防災に強いまちをつくるため努力していくこと。今後も密接な関係を築き、防災はもちろん、すさみ町の魅力あるまちづくりについても勉強していきたい」と話した。

 協定により、今後は互いに顔の見える関係を構築しながら交流し、防災や復興についての情報を交換していくという。

■町職員らに防災講座

 協定締結後、陸前高田市防災局長で、岩手大学地域防災研究センターの客員准教授を務める中村吉雄さんが、すさみ町職員らを対象に防災講座「震災の経験から学んだ教訓〜平時に何を備えるべきか」を開いた。

 中村さんは、市民の半数が家を失い、ライフラインの機能が全て失われた状況から災害対応が始まったことに触れ、「被害想定を考えて防災対策を取っていくことが大事だが、災害は想定通りには起こらない」と強調。「住民に『貪欲に避難して』『できる限りの最善を尽くして』と伝えていくことが、教訓だったと考えている」と述べた。

 避難所運営の状況や、検証報告書でまとめた五つの教訓などについても紹介。「人口や職員が減っていく中、災害は激甚化していく。災害対応は、担当課だけの仕事ではない。公助だけでなく共助、自助と皆さんの力を合わせて『オールすさみ町』で取り組まないといけない」と語った。

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