日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪 正浩)が運営する総合研究所「Future Style総研」と株式会社Zebras and Company(ゼブラ アンド カンパニー、本社:東京都港区、代表取締役:阿座上 陽平、田淵 良敬)が共同で推進する、人口減少時代の持続可能な都市・地域のあり方を探究する研究プロジェクト「Post Growth City Lab」(以下、PGCL)は、2025年10月に大分県別府市で実施したフィールドリサーチの結果をまとめた報告書 『第一弾フィールドリサーチ報告書(大分県別府エリア) 「自然・文化・産業の連関にみる、ハブ都市の価値創造エコシステムのヒント」』 を本日公開しました。
本調査では、温泉という固有資源を起点に、観光、医療・福祉、アート、国際教育といった多層的な産業を分化・再編集してきた大分県別府市の都市構造を 3つの構造原理(Key Learnings)として抽出。これらが、人口減少という局面においても、なお価値を継続的に更新するハブ都市の価値創造エコシステムを支えていることを明らかにしました。今後、本知見をもとに他地域への展開可能性および不動産・事業開発における新たな投資機会の検討を進めます。

報告書全文(PDF)URL:https://futurestylesoken.jp/pgcl/wp/wp-content/uploads/2025/11/58afe9feb41ca655dce8b9b0e383f839.pdf
■PGCL(Post Growth City Lab)について
PGCLは、人口減少、気候変動、世界情勢や経済動向の急激な変化を背景に、「これからの都市や街はどうあるべきか」「不動産業は暮らしの未来とどう関わるのか」という問いに向き合うために立ち上げられた研究プロジェクトです。
地域の未来を切り拓く事業を展開する株式会社NEWLOCALと株式会社リ・パブリックを共創パートナーに迎え、生成AIを駆使した定量的なマクロリサーチと、現場でしか浮かび上がらない事象を捉える定性的なフィールドリサーチを掛け合わせ、「課題」起点と「資源・機会」起点の両面から都市システムへの介入機会を探ります。調査期間は2025年5月から2026年11月までを予定しており、合計5地域でのフィールドリサーチを通じて、他都市・他地域へも展開可能な指標とモデルへの昇華を目指します。
PGCLは、地域を 「ブロック拠点(空港・新幹線駅などが立地する政治・経済の中心)」「ハブ拠点(住宅・文化・産業が集まる中核)」「小さな拠点(農地・山間地・海岸部など一次産業を支える地域)」の3層構造として捉え、これに「経済」「文化や資源」「生活インフラ」「暮らし方」の4要素を掛け合わせる独自の分析フレームを採用しています。
■別府を初回フィールドに選定した理由
PGCL分析マトリックス上で、ハブ拠点・小さな拠点としての要素を最も広範に網羅していたのが別府 エリアでした。最終的に別府市を集中調査対象とすることで、背後にあるブロック拠点(大分市)との相互関係や都市間のダイナミズムも逆照射的に把握できると判断しました。
■別府フィールドリサーチ実施概要

項目
内容
実施日
2025年10月14日(火)~ 15日(水)
主な訪問先
べっぷ駅市場/立命館アジア太平洋大学/NPOハットウ・オンパク/まちあるき(竹瓦温泉~清島アパート)/別府市役所 新湯治・ウェルネス推進室/太陽の家・オムロン太陽株式会社/冨士屋ホテル/Yamaide Art Office
主催
日鉄興和不動産株式会社Future Style総研、株式会社Zebras and Company
共創パートナー
株式会社NEWLOCAL、株式会社リ・パブリック
■別府で得られた3つのKey Learnings
調査を通じて浮かび上がったのは、地域資源の価値が継続的に更新され、その結果として地域の持続可能性が向上していく独自のエコシステムです。これは次の3つの構造原理から成り立っています。
Key Learning 1|地域資源と産業のアップデート
別府は、温泉という単一資源を 「観光」と「医療・福祉」 の二大産業へと多層化させ、その後もボトムアップ型観光モデル(ハットウ・オンパク、BEPPU PROJECT)や、企業・研究機関などとの連携による科学的エビデンスを軸とした 「新湯治・ウェルネス」 へと展開してきました。再現すべきは特定の資源そのものではなく、「誰が関わるか」「何と組み合わせるか」「どう価値を翻訳するか」によって、自然・文化・産業の連関を絶えず再編集するプロセスの設計です。
Key Learning 2|価値のアップデートを支える挑戦の連鎖の設計
ハットウ・オンパクを立ち上げた鶴田浩一郎氏、冨士屋ホテルを再生させた安波治子氏、BEPPU PROJECTを通じて創造的生態系を拡張した山出淳也氏など、世代を超えて挑戦のプラットフォームが継承されてきた点が別府の特徴です。重要なのは個別の成功事例ではなく、挑戦が次々と生まれ、連鎖していく構造を「共有資産」として設計し、その機能を属人性から切り離して都市の構造に埋め込むことです。
Key Learning 3|持続可能な都市への参加の機会を作る
1965年創設の 「太陽の家」 による障がい者雇用(市内人口比率約7%、全国平均約5%を上回る)と、約100カ国の留学生が集う立命館アジア太平洋大学(APU)の存在は、多様な人材を「受容」するだけにとどまらず、 地域の「担い手」へと転換する包摂的なインフラとして機能しています。問われているのは、労働力をどう補うかではなく、多様な人材が役割を持ち続けられる土壌の設計です。
これら3つの構造原理が連鎖することで、縮小を前提としながらも持続的に価値を更新する、ハブ都市・別府の価値創造エコシステムが機能しています。
(参考リンク)
ハットウ・オンパク:https://www.onpo.jp/about/organizations/2846
BEPPU PROJECT:https://www.beppuproject.com/
冨士屋ホテル:https://kannawa-fujiya.com/
太陽の家:https://www.taiyonoie.or.jp/
立命館アジア太平洋大学:https://www.apu.ac.jp/home/
■今後の展開
2回目のフィールドリサーチでは、別府で十分に検証できなかった観点を補完するため、以下3つの観点から調査対象として熊本市を中心とするブロックを選定。熊本ブロックのリサーチブックも完成次第公開いたします。
1.明確なブロック–ハブ拠点間の関係性を有する都市
2.トップダウン型産業構造 が都市形成に大きく関与する都市
3.大規模基盤インフラ(エネルギー・交通など)を内包する都市
これらの調査を通じて、不動産・事業開発における具体的な投資機会の検証と、他都市・他地域へ展開可能な指標・モデルの開発を進めます。
■主催者によるコメント
■報告書の入手方法
報告書全文(PDF)は、下記URLよりダウンロードいただけます。
https://futurestylesoken.jp/pgcl/wp/wp-content/uploads/2025/11/58afe9feb41ca655dce8b9b0e383f839.pdf
■プロジェクト参画企業について
株式会社Zebras and Company(ゼブラ アンド カンパニー)
設立:令和3年3月12日
URL:https://www.zebrasand.co.jp
活動内容:「ゼブラ企業」という概念の認知拡大のためのムーブメント・コミュニティづくり、および、社会実装のための投資や経営支援の実行
代表取締役:阿座上 陽平、田淵 良敬
社外取締役:小林 味愛
監査役:三尾 徹
株式会社リ・パブリック
設立:2013年04月
URL:https://re-public.jp/
所在地:東京都文京区湯島2-26-5 藤井ビル 1F
事業内容:イノベーションエコシステムの研究・設計/文化・資源リサーチなど
代表者:共同代表 田村 大
株式会社NEWLOCAL
設立:2022年7月
所在地:東京都中央区日本橋小舟町14-7
URL:https://www.newlocal.co.jp/
事業概要:建築、不動産、エリア開発の企画、開発、運営およびコンサルティング
まちづくり、地域活性化についてのコンサルティング
地域商社の設立、経営および運営
代表者:代表取締役 石田 遼