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家の風呂では味わえない空間が銭湯の醍醐味(だいごみ)。神社と寺に囲まれた場所にたたずむ「龍美(たつみ)温泉」(大阪市福島区)では、大阪城を見上げながら癒やしの時間を過ごすことができる。
入り口からすぐに、レトロなシャンデリアに迎えられ、浴室に入ると眼前にそびえる大阪城天守閣の壁画。ペンキ絵ではなく、小さなタイルを一枚一枚張り合わせた巨大タイル絵だ。
夫婦で龍美温泉を経営する坂本はる子さん(77)の実家「城南温泉」(大阪府池田市)を含む府内5軒の銭湯で、昭和60年頃に城の壁画を作ったそうだが、今もそのままの形で残るのは1カ所のみ。
浴室は壁画と調和するように多様なタイルが配され、寝風呂で見上げるステンドグラスなど、細部まで意匠が凝らされている。店全体がアート作品のようで、飽きることがない。
龍美温泉では、絶妙な半熟具合と「竹塩」など数種類のこだわりの塩でいただく、坂本さん手作りの「ゆで卵」も評判を呼んでいる。値段は始めた30年前から変わらず1個50円。
「壁画もゆで卵も、お客さんに喜んでもらいたくて始めたんです」と坂本さん。この名物を求めて遠方から足を運ぶ人も。壁画とおもてなしの心が生み出す心地よい空間が広がっていた。
龍美温泉の名物のゆで卵=大阪市福島区
筆者:良原須美(産経新聞)
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2026年5月26日付産経ニュース【銭湯こぼれ話】を転載しています
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