イェンス・ウィッシング監督 写真:アフロスポーツ

Jリーグインターナショナルの欧州拠点「J.LEAGUE Europe」は、株式会社JリーグインターナショナルがJリーグの欧州でのビジネス展開の拠点として設立。2024年3月に設立され、同9月にはロンドンで株式会社Jリーグの100%子会社として登記。2025年1月から本格稼働を開始した。

この拠点が注目された一つのトピックが、先ごろACL2(AFCチャンピオンズリーグ2)を制したガンバ大阪の新監督、ドイツ人のイェンス・ヴィッシング氏の招聘だ。2026年の百年構想リーグから指揮を執る38歳の青年監督の就任は、「J.LEAGUE Europe」と戦略的パートナーシップを結んでいるイギリスのデータコンサルティング会社「Twenty First Group(TFG)」のデータベースを活用した異例のプロセスを経て実現した。ここでは「J.LEAGUE Europe」の設立背景と使命、データベース活用による監督マッチング事例を中心に、その功績の大筋をまとめたい。

Jリーグ 写真:アフロスポーツ

なぜ今、欧州に拠点を作ったのか

2025年1月からの本格稼働開始後、「J.LEAGUE Europe」は欧州との日常的な連携を可能にする拠点として機能している。駐在体制はロンドンに2〜3人、バルセロナに1人を配置し、初代プレジデントには数多くの日本代表選手の移籍を手掛けてきた元代理人の秋山祐輔氏が就任した。

株式会社Jリーグインターナショナルの山崎和雄代表取締役は設立目的について、日本サッカー界が内向きだったとして、欧州との拠点を通じJクラブの意識を変えることで日本サッカーを強くするためと説明している。

設立の趣旨は、日本サッカーの更なる発展・水準向上のため、欧州サッカー界とJリーグ・Jクラブの接点をさまざまな領域で増やしていくことにある。その意図には移籍金収入の拡大も含まれており、具体的な取り組みとして「欧州クラブや有力代理人とのネットワーク構築」「フロント人材・監督・選手のスカウティングや移籍のサポート」「海外遠征における国際親善試合のマッチメイクや国際大会への出場など国際経験の創出・若手育成支援」などが挙げられる。

これにより、Jリーグの世界的なプレゼンス向上、育成水準の向上、事業収益の拡大のための経営知見のアップデートを目指している。秋山氏は代理人だった経験から欧州クラブ関係者とのネットワークを生かした活動を推進している。「良い監督の招聘や質の高いクラブ提携を増やし、Jリーグの価値向上を図る」とも語っている。

現在、欧州約100クラブへのニュースレター配信や、1994年にイギリスで雑誌版が創刊され8か国以上で刊行されるサッカー専門メディア『FourFourTwo』との連携、2000年5月に創立されたサッカー専門データベースサイト『Transfermarkt(トランスファーマルクト)』との情報共有なども実施されている。これにより、Jリーグの欧州認知度向上と双方向の交流が図られている。

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