ACL2の頂点を目指して熱い戦いを続けてきたガンバ大阪が、最強のライバルとの大一番に挑む。ポヤトス前監督から受け継いだバトンを手にヴィッシング監督とともに走り続けてきた選手たち。山下諒也は初のアジアの戦いで「ACL2」男としての存在感を発揮し飛躍してきた。自慢の快足を生かしてアルナスルを脅かす準備は出来ている。

 僕にとってプロ生活で初めての国際舞台となるACL2ですけど、去年大会がスタートする前からこの大会でタイトルを取ることしか考えていなかったですね。ACL2を実際に戦ってみて感じるのはやっぱり勝つことと、勝ち切ることの難しさです。特にアウェイで行われる試合というのは、日頃戦っているJリーグの試合とは全く違った環境ですし、そこで勝ち切ることの難しさとプレーしていて感じるプレッシャーの大きさはありますが、本当にメンタル面が一番重要だなとACL2を戦いながら実感しています。

 ノックアウトステージ ラウンド16のホーム浦項戦で点を決めた後「スピードって相手に対策されようがない」って話をしたんですが、アジアの戦いでも自分のプレーに関しては自信を持ってやれています。ACL2で対戦する相手はJリーグの対戦相手と違って、対人に自信を持っているのか、ちょっとマークの仕方が違うんです。そういう意味では相手の気の緩みみたいなものを見つけながら上手くプレー出来ています。組織的なJリーグの守りと違うので、相手を自分のスピードでぶち抜いてやる、という思いはありますね。

「俺がやるしかない」という気持ちで挑んだバンコク・ユナイテッド戦

 ただ、ACL2のここまでの足取りについて個人としては正直、まだまだ納得がいっていない。準々決勝のラーチャブリーFC戦ではチームも苦しい戦いを強いられたので、そういう意味でも僕自身のプレーに関しての物足りなさを感じます。一方で、バンコク・ユナイテッドとの準決勝セカンドレグは自分の中でも手応えを感じました。ホームで負けて臨んだセカンドレグだったので、試合の前日には今までの試合とは異なる精神的なプレッシャーも感じていましたし、いろいろなものを背負っていましたね。その中でも「俺がやるしかない」という気持ちで挑んだ試合がバンコク・ユナイテッド戦でした。早い時間帯に先制点を決めることが出来て、チームを安心させることが出来ました。そういうプレーが自分の仕事ではありますが、あのプレッシャーのある中で自分のやるべきことを出来たのが一番嬉しかったです。

 今大会、ここまで5点を決めることが出来て、シュート精度が高まっていることに関しては手応えもありますけど、一番は自分自身のメンタリティの成長をすごく感じています。試合に挑む際の気持ちとしては自分がやるしかない、という思いもあるんですけど、逆に「僕が外したらしょうがない」というぐらいの感覚で、「俺だからこういう場面でシュートまで行けるんだ」と思い聞かせながらプレーしていますね。

 決勝まで勝ち上がってきたガンバの強みは、追い込まれた時の強さです。ここまでを振り返ると結果的に苦しい中でもしっかりと勝点を取ることが出来ました。そういう意味では苦しみながらも勝ち上がってきたので、だからこそ僕らに一番優勝するチャンスがあると個人的には思っているんです。

決勝戦だからこそ、相手の雰囲気を変えるプレーをしたい

 決勝の対戦相手としてはアルナスルに勝ち上がってきて欲しいと思っていました。この最高のシチュエーションで、尚且つ大きなプレッシャーがかかる決勝戦であの様なチームと戦えるのは選手として幸せとしか言いようがありません。アルナスルの試合に関しては僕もフルで彼らの映像を見ていますけど、どういう試合展開になるかな、というのは想像出来ています。相手のここを狙えばチャンスになるかもしれないな、とかこういうプレーをすれば勝つ確率が高まるな、というものはしっかりと持っています。

 決勝戦で自分の役割として意識するのは自分の体力を試合のどの場面でどう使うのか、という判断をしっかりとすることです。サウジアラビアの試合だけに暑さはあると思いますが、仕掛けてプレーする場面と、そうでない場面の判断、守備でポジションに戻る時の判断をしながら、個で違いを出していくつもりです。僕がスピードを活かして攻撃の起点になって違いを出したい。僕らにとってはアウェイでの戦いですが、雰囲気ってワンプレーで一気に変わると思うんです。完全アウェイの雰囲気を感じながらの試合になるとは思いますが、一つのプレーで相手の雰囲気を冷めさせることは出来るはずです。決勝戦だからこそ、相手の雰囲気を変えるプレーを僕もしたいし、相手にとっての一刺しを出来るのが僕だと思っています。攻守両面で自分の強みを前面に出すだけですね。

 (半田)陸とは同じ右サイドでずっと一緒にプレーしてきましたが、僕だけでなく他の選手も彼らへの思いは持っています。ACL2にこうやって参戦出来ているのは一昨年のシーズンの結果があったからこそですし、陸だけでなく色々な選手のためにもここで歴史に名を刻むつもりです。天皇杯で優勝できなかったあの悔しさも今回の決勝に繋がると思っているので、全力でアルナスルにぶつかるだけです。サポーターの思いも、このタイトルがガンバというクラブにどのような重要性を持っているかも理解しています。決勝ではタイトルを取るというプレッシャーも背負いながら戦いたいですし、サポーターが長年待ち侘びていたタイトルなので、サポーターの皆さんも人生を懸けて応援してくれていると思うので、そういう方のためにも何としてでも優勝を届けたい。自分の人生を懸けて決勝のピッチに立つつもりですし、僕がガンバに来たのもタイトルを取るためでした。どの試合に関しても同じ気持ちでプレーしているつもりですが、今回の決勝はより気が引き締まりますし、相手が相手だけに燃えますね。自分がどうなってもいい、というぐらいの気持ちで全ての力を出し切って、ガンバに貢献したいと思います。

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