12日、中国メディア・観察者網は中国によるレアアースの輸出管理強化が供給網の自立を目指す欧州連合にとって深刻な脅威になっていると報じた。
2026年5月12日、中国メディア・観察者網は、中国によるレアアースの輸出管理強化が供給網の自立を目指す欧州連合(EU)にとって深刻な脅威になっていると報じた。
記事は、中国商務部が25年10月にレアアース輸出管理の新規定を公表し、米中間の貿易休戦により一時的に見送られたものの、欧州にとってはいつ降り掛かってくるかわからない「ダモクレスの剣」となっていると紹介。25年4月実施の既存規制によってすでに生産ラインが停止の危機に直面する中で、解決策を模索する欧州側の交渉が行き詰まりを見せているとした。
そして、交渉に関わる欧州側の担当官が「中国はトランプ大統領に譲歩させることに成功した。今の中国は貿易戦争で勝つ方法を知っていると確信しており、その自信は交渉の場で明らかだ」と述べたことを紹介した。
記事は、中国が世界の永久磁石生産の94%、レアアース精錬能力の90%以上、採掘能力の68%を掌握するという圧倒的な支配力を背景として輸出管理の範囲に「域外適用」を追加し、中国産の成分が含まれていれば第三国で生産された製品に対しても制限を課すことを可能にしたと解説。欧州のサプライチェーンを封じ込める実質的な能力を中国が手にしたことを意味すると評した。
その上で、欧州連合安全保障研究所(EUISS)で経済安全保障と技術研究を担当するヨリス・ティアー分析官が、この輸出管理措置をあらゆる交渉の場に掲げられる「必殺の一撃」だと指摘し、これを利用して欧州に対し中国製電気自動車(EV)への輸入関税を撤回させるよう迫っていると分析したことを伝えた。
記事は、EUが今年初めに「欧州重要原材料センター」の新設を発表し、重要原材料法を可決するなど中国からの依存脱却を掲げているものの、域内生産目標を実現するためのプロジェクトは財務的な持続可能性が保証できず、輸入多角化戦略も実質的な成果を挙げていないと指摘。欧州は超大国間の争いによって自らの工業および軍事計画が深く沈み込んでいくのを傍観するしかない無力感に苛まれているとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)
