
広島電鉄は、2026-2028年の中期経営計画を発表しました。
これによると、どうも電停の統廃合を行いたい意向のようです。
速達性を…
電停統廃合を行う理由としては、
・安全性・速達性の向上
・バリアフリー化の推進
・利用者の時間価値の向上
…を挙げています。
確かに広島市内の電停数はかなりの数があり、速達性という意味では足枷になっています。
一方、路面電車は短距離の電停を細かく拾っていく交通システムでもあり、そのメリットが薄れる側面もあります。

広島市議会でも以前、2017年にこの議題が取り上げられており、広島駅前から繁華街である紙屋町まで(2.1km)の所要時間が平均14分かかっていることが若林議員によって取り上げられています。
路面電車の現状を見てみると,高性能の車両にもかかわらず,運行時間のおおむね5割が停止時間で占められており,表定速度は時速10キロを下回るなど,定時性,速達性に課題があることも指摘されています。広島駅から紙屋町東電停まで平均14分かかっているのが現状です。これはバスの移動時間の10分よりも遅いということになり,軌道系の長所が生かされていないことにもなってしまいます(中略)
紙屋町・八丁堀地区と広島駅周辺の二つの地区の連携によって,まさに重要な広島市の都心としての機能がさらに高まることが期待されているところです。
しかし,この二つの地区を結ぶ公共交通は,所要時間の面で見ると甚だ不十分と言わざるを得ません。先ほど指摘したところですが,広島駅と紙屋町東電停までの2.1キロメートルを路面電車で14分もかかってしまいます。他の政令指定都市の札幌市を見てみると,札幌駅から大通駅までの600メートルを地下鉄で約1分で連絡します。また,同じく仙台市でも,仙台駅から勾当台公園駅までの1.2キロの所要時間は,地下鉄で3分です。福岡市では,博多駅から天神駅までの2.5キロを地下鉄で約5分の所要時間となっています。都市の中心となる駅と都心が極めて短時間で結ばれていることがわかります。
他の政令指定都市の地下鉄と広島市の路面電車を単純に比較することはできませんが,路面電車のスピードアップは都市の魅力を向上させるためにも極めて重要な課題であることは間違いありません。
また,外国人観光客を含め広島市を訪れる観光客は,昨年も6年連続して過去最高を記録しています。そうした観光客の多くは原爆ドームなどの平和記念公園を訪れており,観光客に対する利便性の向上も大切なのではないでしょうか。
そうした観点から見ると,広島駅から紙屋町までの電停の統合を含めて,電停のあり方を再検討してみる必要があるのではないかと思います。
現在,広島駅から紙屋町までには,猿猴橋町,的場町,稲荷町,銀山町,胡町,八丁堀,立町,紙屋町東の八つの電停があります。相生通りの胡町と八丁堀に至っては電停が隣の街区にあり,その距離が100メートルから150メートルと近く,頻繁な停車を余儀なくされていることから混雑状態となっています。
出典:広島市議会『平成29年第 5回12月定例会-12月07日-03号』
この当時はまだ駅前大橋ルート開通前で、猿猴橋町電停に迂回していた時代ではあるものの、確かに2.1kmの距離(梅田~淀屋橋ぐらい)を15分近くかかる…というのはちょっと遅いですね。
今回発表された中期経営計画では、具体的な場所こそ明示されていないものの、利用客が多い主要ルートは広島駅前~紙屋町・原爆ドーム前あたりですから、このあたりで統廃合されるのかもしれません。
関連リンク
広島電鉄、路面電車の速度向上試験を実施へ
広島電鉄、23年ぶりの新系統「循環線」が開業へ
参考文献
広島市議会議員 若林新三『路面電車の電停の統合等を求める(第5回定例会)』
封入体筋炎患者闘病記『広島の都市交通 広電の話題 5 電停統廃合議論始まる』
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