2026年5月 6日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:EU
トピック:女性の権利

欧州議会は4月28日、EU全域で同意のない性行為を強かんと定義するよう、あらためて明確に求めた報告書を採択した。アムネスティはこれを歓迎する。

女性に対する性暴力の動画や性暴力を助長する情報を共有するインターネット上のネットワークの存在、組織的な子どもの性的搾取などが大きく報じられる中で、ジゼル・ペリコさん(長年にわたり夫を含め数十人から意識を奪われた状態にされて強かんされたフランスの女性)のような被害者が、性暴力の実態への認識を高めるために自らの経験を語ろうと奮闘している。こうした状況にある今、EUの意思決定者は報告書の要請を強く心に刻むべきだ。

根拠のない俗説やジェンダーの固定観念に支えられ、強かんを軽く扱い被害者に責任を転嫁する「強かん文化」が社会の中で長く温存されてきた。このような考え方は、性暴力を当たり前のものとして受け入れさせ、さらには正当化する危険すらはらんでいる。

EUでは、女性の6人に1人が成人期に性暴力を経験し、10人に1人が生涯に一度は強かん被害に遭っている。EU全域で同意が当たり前となる社会を形成するためには、強かんを同意の有無に基づいて定義することに加え、性暴力の背景には複数の要因が絡み合っていることを認識し、被害者を中心に据えた対策や包括的な性教育、啓発活動、予防の取り組みを進めることが不可欠だ。

欧州委員会は今こそ、同意の有無に基づく強かんの定義をEU全域で確立するために、立法案を提出する必要がある。まだ対応していないEU加盟国も、速やかに自国の強かんの定義を「イスタンブール条約(女性への暴力・家庭内暴力の防止に関する欧州評議会条約)」の定義に合わせるべきだ。

背景情報

アムネスティは長年にわたり、国内法や政策で同意の有無に基づいて強かんを定義するよう求めてきた。被害者や活動家たちが、「同意のない性行為は強かんである」という基本的な真実に基づいて、法や社会の考えを変革するためにキャンペーンを展開し、多くの国で成果が挙がっている。

2018年、アムネスティ・インターナショナルが初めて欧州の法律を分析した際、同意の有無で強かんを定義していた国は、わずか8カ国にすぎなかった。それ以来、クロアチア、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ギリシャ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スロベニア、スペイン、スイスの13カ国が、同意に基づく法律を採択した。スウェーデンやスペインを含む一部の国の法律には積極的な同意がない限りは同意とはみなさない「Yes means yes(明確なイエスがあった場合だけが同意)」の考え方が盛り込まれており、言葉や言葉によらないさまざまな方法で性行為を望んでいることが積極的に示されてはじめて同意となる。

アムネスティ国際ニュース
2026年4月28日

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