20年後の子どもたちのために、今何ができるのか。

茨城県古河市の旧三和地区に拠点を構える野本電設工業。
電気工事の専門会社でありながら、地域清掃、ネーミングライツ取得、インターン生の受け入れなど「地元の未来」に向けた種まきを続けています。

『スポーツフェスタ古河』の開催など、かつてサッカーの街だった古河市はスポーツを使ってさらなる発展を目論んでいます。その古河市を電気のプロとして支え続けている野本充敏社長(以下、野本)。

20年後の古河を、もっと誇れる街に。電気のプロ・野本電設工業が取り組むのは、単なる工事だけではありません。ゴミ拾い、ネーミングライツ、そして若手への教育。すべては『この街が好きだ』と言える未来をつくるため。社員主導で成長を続ける組織の裏側と、野本社長が大切にする『人情味』溢れる経営哲学に迫ります。街への想いと未来に向けたこれからの挑戦を伺いました。

MIRIZE

【古河市で24歳起業】医療・運動・介護をつなぐMIRIZEが描く“健康な街”の未来|KOGA PRIDE「痛みを取って終わり」ではなく、予防医学的に「運動できる身体づくり」を当たり前にしたい。

そんな想いから、茨城県古河市で24歳の若さで起業した福田琢実さん(以下、福田)が立ち上げたのが、接骨院・ジム・デイサービスを一体化したヘルスケア複合型施設・MIRIZE(ミライズ)です。
身体の治療、動かし方の改善、治療、リハビリ、そしてトレーニングまで一貫して取り組むことで、ジュニアアスリートから高齢者まで、幅広い世代の“身体づくり”を支えてきました。
介護予防や地域の健康課題にも向き合いながら、「複合的なアプローチこそが当たり前になる社会」を目指すMIRIZEの挑戦と、福田さんの背景にある想いを取材しました。…

「社長らしくない社長」社員が主体の組織づくり

ーー野本社長は普段から社員と距離が近いと伺いました。経営スタイルについて教えてください。

野本)普段から社員と同じように事務所にいるので、知らない人が見たら社長だとわからないと思います。私が考えるのはお金のことくらいで、社内での決めごとも一切きめていません。「着やすい作業服を買いたい」「社内でお花見や社員旅行をしたい」といったやりたいことは社員同士が話し合って決めています。

極論かもしれませんが、社員の働きやすさを追及していけば自然と会社の利益につながると考えています。そして「自分の会社だ」という感覚で動いている社員ほど、会社が儲かれば自分たちの給与にも還元されるというサイクルが頭のなかにあるので、さまざまな提案をしてくれます。

ーー意欲的な社員の方が多いのですね。社員主導の取り組みで、とくに印象に残っているものはありますか。

野本) 年に2回行っているゴミ拾いです。会社として大型車やダンプを使用しているため、どうしても道が汚れたり音が出たり、まわりに迷惑をかけてしまう部分があります。なので「年に1回ぐらい近所の掃除でもやろうか」と提案したら、社員が案を膨らましてきてくれました。今では国道125号から会社前の道の間を、半日かけて全部ゴミ拾いしています。
2023年に受賞したANDPAD(アンドパッド)DX大賞も、建設業界全体がDX化に取り組む前から社員が動いてくれていたおかげでした。すべて社員主導で動いている会社です。

野本電設工業

ーー自主的に動ける社員さんが育つ環境に、何か秘訣はあるのでしょうか。

野本) 現場職なので体も使いますし忙しいので、その中で息抜きとしてたまにゴミ拾いのようなイベントがあると楽しいのだと思います。会社主導ではなく、社員からの発信で活動しているのがいいのかなと思います。おかげさまで辞める社員も少なくて、長く働いてくれている社員が多いです。

古河の魅力は「人情」、地域全体で子どもを育てる文化

ーー古河市ならではの魅力とは何でしょうか?

野本) 一言で言うと、古河市は人情味が魅力です。温かみがあり、近所の人たちが「誰がどこの子か」をみんな知っています。私の家を含め、友達の子どもが遊びに来たら夕飯を食べて帰るという田舎ならではの良さがあります。

古河の子どもを大人たちがしっかり見守っているところがあり、他の家の子どもでも本気で叱る人もまだまだいます。そんな光景からも、古河市は子どもたちを地域のみんなで育てている街だと感じます。そうやって育てられた子どもたちは、素直にまっすぐ育っている印象ですね。

野本電設工業

ーー「地域のみんなで子どもたちを育てる」という感覚が残っているのですね。

野本) とくに運動会での光景は古河らしさが出ています。どうしても共働きで保護者の方が運動会に来られない子を、自然と他の家族が「昼食を一緒に食べよう」と誘って食事をしている姿をよく見かけます。いつ見ても素敵な光景だなとほっこりした気持ちになります。そして古河で育った子が親になったときに、同じように子どもを育てていく田舎ならではの良い循環をつないでいきたいです。

ーー古河市の良さである「人情」を守っていくことが、未来の地域のためにつながると考えられているそうですね。

野本) これからは人材不足の時代が来るので、なるべく地元に残ってもらえるような、「古河が良い」と思う人を増やしていかなければいけません。一度古河から出た若者でも戻ってきやすい、温かく迎えてくれる地域のコミュニティを残していきたいです。電気という物理的なインフラだけでなく、そういうつながりを守ることも、地元企業の大切な役割だと思っています。

野本電設工業
20年後の街をつくる投資——ネーミングライツと教育

ーー2022年にコスモスプラザのネーミングライツを取得されたと伺いました。

野本)若い方々に「野本電設工業」という名前を知ってもらいたいという想いでネーミングライツを取得しました。古河市で電気屋を探したときに「この会社見たことある」と若い人たちに身近に感じてもらえたら嬉しいですね。

コスモスプラザは地元の中学生、高校生がよく使う施設なので、まず子どもたちの目につくところに名前を出そうと決めました。看板も弊社で一から手掛け、名前をしっかりと知ってもらえるようにコスモスプラザの名前と同じくらいの大きさで会社の名前を作りました。名前を知ってもらうことで、ゆくゆく野本電設工業を選んでくれる若い人が継続的に出てきてくれたらいいなと思っています。

ーーインターン生の受け入れも積極的にされていますね。

野本) 去年は総和工業高校と下館工業から5人のインターンに参加してくれたのですが、全員が「入社したい」と言ってくれました。その中から、会社として受け入れられる最大の人数をこの4月から仲間として迎え入れています。面接時に「なぜ野本電設工業を選んだのか?」と聞いてみると、口をそろえて「インターンが楽しかった」と言ってくれました。

弊社のインターンは、図面を書いて、翌日に実際の配線をして電気をつけるところまでやってもらっています。現場も連れて行きますし、昼食はベテラン社員も交えてみんなで食べます。帰り際、「インターンはどうだった?」と聞くと「最高です!」と目を輝かせて帰っていくのが、かわいくてしょうがないですね。

野本電設工業

ーースポーツや地域イベントへの関わりについては、どうお考えでしょうか。

野本) 以前行っていたマラソン大会も、現在大きなイベントとなりつつある『スポーツフェスタ古河』も、古河市以外から人が来て古河市を知ってもらえる、足を運んでもらえる機会として本当に大切なものだと思います。

これからは、こうしたスポーツイベントを「点」で終わらせず、上手にPRに活用していく必要がありますよね。古河市に任せるだけになるのではなく、地元企業として、こういう取り組みを通じて「古河ってこんな素敵な街ですよ」と発信していく役割を担っていきたいです。将来、子どもたちが古河を誇れるように、今できることを積み重ねています。

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たった4年で1.5万人規模へ|茨城県古河市のスポーツフェスタはなぜ人を惹きつけるのか?茨城県古河市で2022年に始まった『スポーツフェスタ古河』が、わずか4年で1万5千人を動員するイベントへと成長しています。

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古河市と「ウイン・ウイン」の関係でありたい

ーー今後、会社として目指す姿を教えてください。

野本)私たちだけでなく、古河市の会社が育つことで地元雇用が生まれ、利益が上がれば古河市に税金として還元できるようになります。野本電設工業も、地元に根付いた企業として、古河市とWin-Winな関係を築き、古河市を縁の下から支えられるような地元企業になっていきたいです。
会社としても、地域の子どもたちが遊べるような場所や、地元の方々に還元できるようなイベントも開催したいと考えているので、それを実際に実行できるような力をつけていきたいです。

ーー20年後の古河市はどんな街であってほしいでしょうか。

野本) 自分の子どもや孫が「古河っていい街だよね」と笑って言える街であってほしいです。そのためには今の大人が先を考えて動き、次世代の子どもたちが自分自身で考えて育っていかなければ地域の活性化はないと思います。

人情があり、歴史もあり、自然も豊かな古河市の良さを地元企業として発信していきたいです。

ーーありがとうございました!

野本電設工業

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