秋田市新屋で発生した風車の羽根の落下事故から2日で1年です。
事故を受けて点検方法の見直しなどの再発防止策が示されていますが、根本的な解決策は見出されていないのが実情です。
こうしたなか、先月には男鹿市でも事故が発生しました。
大惨事につながる大型風車の事故。
県民からは人の往来がある場所から離れた場所に風車を建ててほしいといった声が聞かれました。
折れるはずがなかった、羽根。
今もわからない、死亡との因果関係。
さくら風力 盛高健太郎社長
「法令に違反している部分があったかかもしれないとは全く思っていないです。法令は遵守していると当時も現時点も思っています」
守られていた、安全基準。
私たちのすぐそばにある、風車。
宮城県の人
「人が作っているものだから必ず壊れるのさ」
北嶋大聖記者
「多くの人が立ち寄る観光案内所のすぐそばにある風車の羽根が根元の近くから折れてしまっています」
繰り返される、事故。
風の王国・男鹿 菅原廣悦社長
「ゆめゆめって感じはしますけどね」
折れた羽根が風車の安全性を問いかけています。
佐竹知事
「場所、カネ、技術3点セットで県内の発電事業者をバックアップしたいと思っております」
起工式
「えい!えい!」
環境にやさしい、クリーンなエネルギー。
海沿いの地域を中心に風力発電所は次々に整備されてきました。
風車の数はこの10年で倍増。
大きな経済波及効果をもたらしてきました。
しかし。
柴田光太郎アナ
「1番上の羽根、根元から折れてしまっています」
事故は去年5月2日に発生しました。
秋田市新屋で風車の羽根が回転中に折れ、一部が近くの海浜公園に落下しました。
落下した羽根のそばでは81歳の男性が倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。
死因は体の複数か所に重いけがをしたことによる「多発外傷」でした。
事故調査委員会は今年1月、過去の落雷で傷がつきそのまま運転を続けたことで損傷が拡大し羽根が折れたと推定。
点検方法の見直しなどを再発防止策として示しています。
羽根の落下と男性の死亡との因果関係は今も明らかになっていません。
男性の遺族は今でも亡くなったことが信じられないと話します。
市民の憩いの場に突如降りかかった巨大な刃。
市民
「夕焼けの頃によく来ていたんですけど」
記者
「風車がある時は怖かった?」
市民
「事故が起こる前はそんなに感じないで来てましたね。まさかっていう感じでそれ以来はこちらに来なかったです」
身近な場所に立つ風車は能代市にもあります。
防波堤におよそ200点の壁画が描かれた、はまなす画廊。
そのすぐそばにあるのが新屋の事故機と同じ、ドイツのメーカーが製造した風車です。
先月、男鹿市でも同じモデルの風車の羽根が折れました。
地元の人
「これはちょっとマズいっすね。やっぱ往来の激しい所だば控えてもらたいな」
地元の人
「やっぱり不安はありますよね。1回折れている物があるからね。近くで結構回ってるからこの辺にたくさんあるでしょ。ちょっと不安はありますよね」
地元の人
「あるのが当たり前だと思っていたが、ああいう事故があれば怖いですよね」
相次ぐ事故を受け、周辺は立ち入りが規制されています。
ブレードとも呼ばれる風車の羽根。
秋田に設置された風車の羽根は多くが長さ約40メートル、重さは10トン前後にも達する、まさに巨大な刃です。
事故が発生すれば大惨事につながりかねませんが、設置場所や周辺への立ち入りに統一された基準はありません。
北秋田市から
「ちょっと気にはしますけど何年も来てるし大丈夫かな」
三種町から
「数ばっかり追い求めてきてやっぱり人の命ですよね大事なのかなと」
記者
「そう考えるとどこに建てるべき?」
三種町から
「山の上です」
大館市から
「山の上に建てても風の少ない所だと意味がないでしょうから、場所を選んでいただいて人の出入りの少ない所に設置してもらえればいいかな」
私たちのすぐそばにある、風車。
宮城から
「万が一があれば、強風の時とか台風の時とか地震があれば怖いなとは思う」
地元の人
「進歩的と言えば進歩的なんだけどなんて表現したらいいのかなちょっと・・・昔はこうじゃなかったっていう10年以上ここ通ってて散歩でどんどんどんどん変わるなって未来の風景だなとは感じていましたけど」
事故から、あす2日で1年。
風車は撤去され、海浜公園には憩いの場を求める人たちが再び足を運んでいます。
海沿いの風景は、かつてと大きく様変わりしました。
発電量に占める割合が増えてきている再生可能エネルギー。
再生することができない命を守るためにも。
実効性のある対策が、急がれます。
※5月1日午後6時15分からのABS news every.でお伝えします
