
今は2泊3日が普通!?北海道の中学生 今ドキの修学旅行の行き先とリアルな裏事情…津軽海峡を渡る学校と道内にとどまる学校 見知らぬマチで“地元”を知る大冒険
新年度を迎え、札幌駅や新千歳空港では、大きな荷物を抱えた中学生の団体を見かける機会が増えてきました。
生徒たちの表情には、学びの場を教室から見知らぬマチに移す「修学旅行」という大行事へのワクワク感があふれています。
ところで「最近の北海道の中学生は、修学旅行でどこに行くのだろうか」
そんな疑問から、道内の公立中学校の修学旅行の行き先を調べました。
(HBCデジタル編集部:南真央)
札幌は津軽海峡を渡って道外へ…道東や道北の中学生は道内へ
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北海道教育委員会によりますと、札幌市のすべて公立中学校96校(義務教育学校2校含む)は『道外』へ行っているのに対し、札幌市を除く道内各地の中学校では、6割が『道外』、4割が『道内』に行っていることがわかりました。
札幌市内の公立中学校は8割が東北、2割が関東へ
すべての公立中学96校が道外へ行く札幌市の場合、8割にあたる76校が東北、残り20校が関東が目的地となっていました。(2025年度・札幌市教育委員会)。
利用する交通機関は、東北方面にはJRと新幹線で行き、関東方面には航空機が使われていました。
北海道新幹線(資料)【この記事の画像を見る】東北方面の行先で人気なのは、岩手県と秋田県
札幌市教委によりますと、東北の修学旅行先でダントツで多いのは、岩手県と秋田県。新幹線で岩手県盛岡市まで行き、盛岡市を起点に東北を周遊する例が多いということです。
盛岡市が選ばれる理由は、
・中心部に観光スポットや公共施設が集まった「コンパクトな街」であること
・教科書で習う「歴史」や「歴史的建造物」が数多く残っていること
などがあげられ、生徒たちが自ら旅を計画し、名所を巡って学びを深める「自主研修」に適しているためと市教委は説明します。
岩手県・手作り村の工房ゾーン(HPより)【この記事の画像を見る】
具体的には、さまざまな工房が集まる「手づくり村」で伝統工芸を体験するほか、わんこそば、冷麺、じゃじゃ麺の「盛岡三大麺」などの食文化に触れ、宮沢賢治ゆかりの「光原社」を訪れるのが“鉄板”コースなんだそう。
一方、秋田県では、盛岡市からバスで1時間半ほどの距離にある小坂町の「康楽館(こうらくかん)」が定番スポットの一つ。
秋田・康楽館【この記事の画像を見る】
「康楽館」は国の重要文化財にも指定されている芝居小屋で、「明治時代にタイムスリップしたような没入感」を体験できるんだとか。
秋田・康楽館【この記事の画像を見る】
また「みちのくの小京都」とも呼ばれる角館エリアでは、札幌にはない歴史的景観を眺め、中学生にとっては「教科書の中の江戸時代」を肌で感じる貴重な機会になっているということです。
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なお、関東を訪れる札幌の公立中学20校のうち、半数は千葉県に、次いで神奈川県や東京都内に宿泊。行き先としては鎌倉市や横浜市のほか、栃木県の日光市をコースに入れる学校もあるということです。
道北、オホーツク、道東などの学校は札幌を中心とした“道央圏”へ
では、修学旅行の行き先に道内を選択している中学校は、どこを訪れているのでしょうか?稚内市、北見市、釧路市の各教育委員会を取材すると、ほとんどが札幌方面でした。
JRタワーから見た札幌市中心部【この記事の画像を見る】
エスコンフィールドHOKKAIDO(北広島市)【この記事の画像を見る】
バスで札幌近郊を周遊する学校も多く、北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOでファイターズ戦を観戦したり、白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」でアイヌ文化の理解を深めたり、また小樽市ではガラス細工体験を通じた伝統工芸や、ニセコでのラフティングといったダイナミックな自然体験など観光資源をフルに活用するコースが定番になっていました。
ちなみに道内第2の都市・旭川市の中学校は、修学旅行を実施した市内24校のうち19校が道内、5校が関東地方を訪れたということです(2025年度)。
また函館市では、修学旅行の行き先に「東北」が圧倒的に選ばれています。2025年度は、全19校中17校が道外、主に東北方面へ。札幌方面に行くのは2校のみでした。
新函館北斗駅(北海道北斗市)【この記事の画像を見る】
道内の他の地域と少し違うこの傾向は、やはり「北海道の中で一番本州に近い街」という地理的な条件が作用しているかもしれません。
修学旅行の日数は2泊3日がほとんど
そして修学旅行の日数は、現在はほとんどの学校が2泊3日でした。「あれ?短い」と思う人もいるのではないでしょうか?
札幌市教委によりますと、学習指導要領には修学旅行の日数は定められていませんが、費用や安全管理の観点から、最近は2泊3日がほとんどだということです。
20年ほど前までは3泊4日が主流だった札幌市の中学校も、物価高による負担増などを踏まえコロナ禍以降は、2泊3日に見直されてきたと市教委は説明します。
修学旅行の実施時期は5月がピーク!その理由は…
道教委によりますと、道内の修学旅行は5月のゴールデンウィーク明けが最も多いということです。
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3年生の4月〜9月の間に実施され、特に5月中旬〜6月中旬がピークで、2年次に実施する学校も一部あるようです。
旅行代理店や各市教委に取材を進めると、5月中旬が選ばれやすい理由は、
「大型連休明けで、数百人規模の飛行機や新幹線、ホテル、貸切バスを手配しやすい」といった現場の事情や、「受験に向けて早期にクラスの団結力を高められる」という教育旅行ならではの理由、「中体連や学力テスト時期を避けられる」といった学校側の生徒への配慮がありました。
見知らぬマチに飛び込み、地元を知る
ただ日数や行き先は時代によって変わりつつも、参加する生徒のキラキラした表情はいつの時代も、どの中学校も一緒です。
学びもさることながら、中学生にとっては、地元以外のマチでの自由行動が大きな楽しみだったりもします。
見知らぬマチに飛び込む大冒険を通じて、ふだんは当たり前すぎて気づかなかった地元の価値を再発見するきっかけになるかもしれません。
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前述のように、道内の修学旅行は5月実施がメインなので、ゴールデンウィークが明けてすぐの出発に向けて、今ごろ荷造りをしながらわくわくしている生徒さんも多そうですね。(HBCデジタル編集部:南真央)
