インド原子力エネルギー庁(DAE)は4月7日、タミルナドゥ州カルパッカムの出力50万kWeの高速増殖原型炉(PFBR)が4月6日、初臨界に成功したと発表した。


(出典:いずれもPIB)
原子力規制委員会(AERB)が安全審査を完了し臨界実施を承認した後、初臨界は4月6日午後8時25分に達成された。DAE長官兼原子力委員会(AEC)議長のアジット・クマール・モハンティ(Ajit Kumar Mohanty)博士、インディラ・ガンジー原子力研究センター(IGCAR)のスリークマール・G・ピライ(Sreekumar G. Pillai)所長、バラティヤ・ナビキヤ・ビデュト・ニガム(BHAVINI)社の会長兼マネージング・ディレクター(CMD)代行のアル・アナント(A. Ananth)氏、BHAVINIの前CMDであるK.V.スレシュ・クマール(K.V. Suresh Kumar)氏らがこれに立ち会った。
PFBRは、DAEの研究開発機関であるIGCARが設計を主導し、DAE傘下の公企業であるBHAVINI社が建設および試運転を担った。
同炉は高速増殖炉であり、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用する。炉心周囲にはウラン238のブランケットが配置され、高速中性子により核分裂性物質でないウラン238をプルトニウム239へ転換することで、消費する以上の燃料を生み出すことが可能である。
また、将来的にはトリウム232を用いたブランケットの利用が想定されており、これが核変換によりウラン233へと転換され、将来の原子力発電の燃料となる見込みである。
このような特性により、核燃料資源の利用効率を高めるとともに、同国が保有するトリウム資源の活用に向けた基盤を提供するものとされる。今回の初臨界達成は、インドの長期的なエネルギー安全保障の確保に向けた重要な一歩と位置付けられている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
