株式会社今治.夢スポーツは、2026年(令和8年)4月28日に定時株主総会を開催し、第24期(令和7年2月1日から令和8年1月31日まで)の事業報告および決算書類について報告を行い、承認されましたのでお知らせいたします。あわせて、事業報告の一部を掲載いたします。

企業集団の現況に関する事項 事業の経過及びその成果

「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念のもと、サッカークラブ運営事業を中心にさまざまな事業に取り組んでいます。2025年度は明治安田J2リーグへの初挑戦という、クラブにとって新たな歴史の1ページを刻む一年となりました 。

損益の推移は下記のとおりであります。

純売上高が、J2昇格によるパートナー収入の増加、入場者数の増加などの要因により、昨期対比148.1%となり、約20億382万円と過去最高を更新しました。販管費及び一般管理費が昨期対比123.7%となり、結果として営業利益8,894万円、経常利益1億1,770万円、当期純利益が1億1,649万円を計上いたしました。

また、スタジアム管理運営を担う株式会社今治.夢ビレッジにおいては、スタジアム利用料及び広告掲出料、命名権収入、カフェ「里山サロン」の売上により純売上高が2億7,456万円を計上し、経常利益が466万円、また企業版・個人版ふるさと納税を特別利益及び特別損益で計上し、当期純利益は1,768万円となりました。

これにより株式会社今治.夢スポーツ、株式会社今治.夢ビレッジの2社合計で、1億3,418万円の当期純利益を達成しました。

また、人員に関しては社員が約40名、選手を除くコーチ、インストラクターなどの業務委託契約が70名と、100名を超える規模の組織になってきました。さらに出向者が2026年4月1日時点で6名在籍しており、各分野で知見を持った優秀な人材の受入れが軌道に乗り始め、多様性の高い組織に成長しつつあります。

株式会社今治.夢スポーツ

区  分

2024年1月期

2025年1月期

2026年1月期

純売上高

1,292,369

1,352,739

2,003,825

販管費及び一般管理費

1,460,263

1,506,590

1,864,038

営業利益

△202,030

△190,572

88,946

経常利益

△180,513

△169,189

117,702

当期純利益

△184,794

△173,084

116,498

                                                     (千円)

株式会社今治.夢ビレッジ

区  分

2024年1月期

2025年1月期

2026年1月期

純売上高

188,169

228,581

274,568

販管費及び一般管理費

213,158

199,860

211,684

営業利益

△37,375

11,332

40,568

経常利益

△49,890

△20,182

4,662

当期純利益

△49,405

113,619

17,682

(千円)

各事業及びプロジェクトの取り組み、業績は以下のとおりであります。

【FC今治 トップチーム】

倉石 圭二監督のもと、クラブ史上初となる明治安田J2リーグの舞台に挑みました。序盤の第3節から13戦無敗を記録し、一時はJ1昇格圏に迫る3位に浮上するなど、シーズン終盤まで激しい昇格争いを繰り広げました。最終順位は11位(13勝14分11敗)となりましたが、J2の強豪相手に通用することを証明した実りある一年となりました。個人では、マルクス ヴィニシウス選手がJ2においても圧倒的な存在感を示し、優秀選手賞およびベストイレブンに選出される快挙を成し遂げました。また横山 夢樹選手、梅木 怜選手が、U-22日本代表やU-20ワールドカップメンバーに選出されるなど若手の活躍も目立ったシーズンとなりました。

「アシックス里山スタジアム」では、念願の大型映像装置が稼働を開始し、ファン・サポーターの皆様に、より臨場感あふれる観戦体験を提供しました。J2リーグ全19試合中16試合で、収容率80%を超える満員御礼を達成し、平均来場者数は昨期を大きく上回る4,800名を記録。また、ホームで2試合行われたJリーグ杯でも両日とも平日にも関わらず満員御礼を達成。スタジアムが今治の誇りとして、地域にしっかりと根付きつつあることを改めて実感するシーズンとなりました。

当社の収入の柱であるパートナー収入に関しては、J2昇格に伴いパートナー数及びパートナー料共に大幅に増加し、昨期の8億265万円から11億9,958万円と約3億9,693万円の増収となりました。J2昇格はもちろん、サッカーに留まらない様々な事業に挑戦する私たちへのさらなるご支援の結果と考えております。

入場料収入に関しては、前出の平均入場者数の大幅な増加により昨期の8,315万円から1億4,104万円と増収。グッズ等の商品売上高も、昨期の6,621万円から9,500万円と増収しました。

ファン、サポーターの皆様との接点に関しましては、今年度はイオンモール今治新都市でファン感謝祭を実施しました。今後も選手・スタッフ一同、今まで以上に街に出向き、ふれあいの機会を創出していきたいと考えています。 

【FC今治 アカデミー】

「岡田メソッド」を用いた長期一貫指導により、自立した選手の育成に日々取り組んでいます 。昨期から引き続き海外遠征も実施し、世界基準を肌で感じる機会を創出しています。

今後さらにトップチームで活躍する選手を輩出するために、四国のトップトップの選手が集まるクラブにならないといけないと考えています。そのためにも指導の質の向上、グラウンド、寮などの環境整備、スカウトの強化を進めていきます。

【FC今治 レディース】

トップチームは「なでしこリーグ2部」での厳しい戦いの中、残念ながら四国リーグへの降格を喫しました。しかし、ホーム最終戦には女子サッカー単独開催としてクラブ史上過去最多の858名に来場いただき、総来場者数は5,785名を記録、平均観客数526名はリーグ内で2位と熱いご支援をいただきました。

また、次世代の育成体制をより強固なものとするため、レディースNEXT U-18チームを令和8年度より、「FC今治高等学校明徳校女子サッカー部」への高体連移行を決定しました。明徳校と業務提携をしてコーチを派遣し、全国を舞台に活躍するチーム作りを目指していきます。

【ホームグロウン事業】

「地域の心が育つ、地域の心を豊かに」を合言葉に、年中から小学6年生までを対象にしたサッカースクール、今治市内、西条市内の幼稚園・小学校を対象にした巡回サッカー教室(無償)を中心に活動しております。

昨期はサッカースクールの西条市への展開を本格化させました。今治・西条両市での巡回サッカー教室により、年間約2,600名の子どもたちにスポーツの楽しさを届けました。

また、今治モデルピラミッドの土台作り、FC今治ファミリーの拡大のため、「大人のサッカー教室」「障がい者対象のサッカーイベント」「在日外国人との交流イベント」などを実施し、多様な人々がサッカーを通じて繋がるコミュニティ形成に大きく貢献しました。

将来的には後述する「地域コラボレーション」推進チームとの統合も視野に入れています。

【メソッドグローバル事業】

2016年から中国の浙江职业足球俱乐部(浙江FC)と提携して、育成世代のチームにおいて、理念・チーム編成・指導法・評価方法の確立など指導体制を構築するサポートをするとともに、指導者のレベルアップ、トップチームに昇格できる選手の育成などに努めております。2025年度も引き続きダイレクター、各年代の監督およびコーチを当社より派遣しました。

また2025年度は、アメリカ、タイ、台湾・ラオスでの岡田メソッドを活用したサッカークリニックを実施しました。東南アジアを中心に岡田メソッドの事業化に向けて、着実に歩みを進めております。

【野外研修事業】

野外体験を通じて、“遺伝子にスイッチを入れる”をキーワードに「生きる力」や「感受性」を育むプログラムの実施、また社会人を対象にしたチームビルディング研修などを行っています。

具体的には次世代を対象とした「しまなみアドベンチャー」、「しまなみ冒険キャンプ」、上場企業や地元企業、行政機関を対象に共によりよい社会を創っていく「switch!研修」や「Kickoff!研修」を展開。さらにアライアンス事業として企業にとどまらず様々な団体のテーマや目的に沿った企画を提案、実施しています。

2024年度から始まったFC今治高等学校里山校の生徒を対象とした野外体験プログラムも2年目となり、2学年を対象とした研修を実施しました。

お取引先企業からも高い評価をいただき継続はもちろん新規の案件も増え、研修体験収入は昨期対比205.8%の5,313万円と大きく増収。事業としての自立性が高まった年となりました 。

【アースランド事業】

今治市から指定管理を受託し、西部丘陵公園“しまなみアースランド”を管理運営しております。公園の管理運営業務だけではなく、幼児を対象とした森の中で生き物や植物に触れ合うプログラム“moricco”の実施や、富良野自然塾から導入した“環境教育プログラム”である今治自然塾、そして来園者増加のためのイベント企画・運営を実施しております。

昨期に引き続き、“moricco”の体験者は年間約2,100名、“環境教育プログラム”の体験者は年間約1,200名を記録。またSNSでの発信力強化にも取り組み、若年層やファミリー層の新規顧客獲得にもチャレンジして、市民の憩いの場としての価値を再定義しました 。

【アシックス里山スタジアム】

3年目を迎えたアシックス里山スタジアムは、前述のとおり大型映像装置が新たに設置され、また2026年度は約3,500席の増席を予定しており、まさに「成長するスタジアム」を体現しております。

試合日はもちろん「365日の賑わい」を体現する拠点としても着実に進化成長しており、カフェ「里山サロン」は昨期対比116.8%の売上を計上。増席工事に伴い移設したドッグランも引き続き多くの方々にご利用いただき、人と犬の交流の場として定着しています 。

また、株式会社アーバンリサーチ様との協業イベント、「TINY GARDEN FESTIVAL ASICS SATOYAMASTADIUM」も3年連続の実施となり、さらに2025年度は、里山サロンの裏庭スペースの命名権を取得いただき、「TINY GARDEN by URBAN RESEARCH」と名付けていただきました。敷地内には、子どもが楽しめる大型遊具を設置し、またひとつ、人々が集まる憩いの場が生まれました。

施設の貸出しに関しては、小学校4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP」の決勝大会の3年連続の実施に加え、大型古着イベント「フルギノフェスタ」の実施や、後述する「art venture ehime fes2025」の今治エリアを担うなど、活用の幅も確実に広がりを見せています。

また、里山ファームやぶどう畑の手入れを社外の人々も巻き込んで実施する「みんなでお世話デー」「ヴィンヤードクルー」活動も継続的に実施し、多様なスタジアムへの関わりが生まれています。

【共助のコミュニティづくり】

これからの時代は、VUCAどころではない予想がつかないことが起こる世界になると考えています。その時に外に頼るのではなく、自律分散型の共助のコミュニティが必要になると考えています。

交通、農業、衣料などのインフラ的コミュニティをはじめ、スポーツ・健康・教育に加え、芸術、観光などの発展的コミュニティを意識した様々な事業展開に取り組み、人々が支え合えるコミュニティづくりに挑戦しています。

2024年10月のコンソーシアムの立ち上げを経て、2025年度は様々な取り組みにチャレンジしました。

株式会社アシックス様との協業によるランニングを中心とした健康コミュニティが1年間の実証期間を終え2025年7月に正式発足。スタジアムを飛びだして、商店街や市内の小学校でのランニングイベントも実施しています。

また前述の愛媛県と東京藝術大学の共催で行われた県民参加型のアートフェスティバル「art venture ehime fes 2025」において、今治エリア里山ゾーンの会場としてアシックス里山スタジアムが選ばれました。10月18日から11月3日にわたり、作品の展示やパフォーマンスが行われ、芸術としてのコミュニティの機会を創出することができました。

さらに2023年から始まった「FC今治たんぼ」の活動も3年目となり、2025年度は延べ163名の方がお米づくりに参加いただき、506kg(玄米)を収穫。関わってくださった皆さまと一緒にFC今治米を食べるイベントも実施。そしてスタジアムの畑でボランティアの方々と育てたぶどうを使用した、初めてのワインも完成しました。食をテーマとしたコミュニティも形成されつつあります。

【しまなみ木のおもちゃ美術館】

上記のコミュニティづくりの取り組みの一環として、イオンモール株式会社イオンモール今治新都市が設立し、当社が運営を担う多世代交流施設、「しまなみ木のおもちゃ美術館」が2026年3月20日に開館しました。

2025年度は立ち上げ、準備期間の1年となりました。しまなみ木のおもちゃ美術館は、しまなみ海道の島々や今治の文化を体験できる場として、おもちゃと遊びを通じて「木育」を伝えるとともに、赤ちゃんからお年寄りまで多世代が自然に集い、交流が生まれる地域のコミュニティ拠点となることを目指しています。

運営の柱になるのが、ボランティアスタッフ「おもちゃ学芸員」の皆様です。年4回実施した養成講座に約140名の方が参加いただき、活躍いただいております。

【地域との連携】

地域との共創を通じ、地元の皆さまの心の豊かさづくりを目指す「地域コラボレーション」推進チームを2024年度に立ち上げ、2025年度は本格稼働の一年となりました。地域コラボの活動を通じて多くのネットワークを構築することができました。3月に発生した「令和7年今治市林野火災」時には、推進チームが中心となり、“我々ができること”を考え、動き、微力ながら地域のお役に立つことができたと感じています。

【財務管理体制の強化】

昨期の課題としていた財務体制の強化に関して、高い精度で月次ベースで予算と実績の管理ができる仕組みづくりに取り組んで参りました。人員の補強やシステムの活用を進めた結果として、継続的に精度の高い着地見込みを実現することができ、タイムリーに経営判断ができる環境を整えることができました。

【スタジアムの拡張】

前述のとおり2025年2月に大型映像装置が完成し、2025シーズンはご来場いただいた皆様により満足度の高い試合を提供することができました。結果として16試合で満員御礼を達成し、シーズン終盤はチケットが完売した試合が続きました。より多くの方々にホーム戦に来場いただくため、2026年7月からのシーズンに向けて増席工事に着手しております。南北両ゴール裏に合計約3,500席を増席し、従来約1,400席だったゴール裏は大幅にスケールアップし、満員時にはスタジアム全体を包み込むような、より一体感と迫力のあるスタジアムへと拡張します。

対処すべき課題【コミュニティ事業の収益化】

前述した共助のコミュニティづくりの取り組みが本格化する中、次のステップはこの取り組みを事業として収益化し継続していく仕組みを作ることだと考えています。将来的には当社の収益の大きな柱とすべく、3年後、5年後、10年後を見据えた制度設計及びシステムの導入を検討していきます。

【増席後の満員のスタジアムの創出】

2026年7月からのシーズンより、増席した8,800席のスタジアムでのホーム戦が始まります。開幕戦を満員のスタジアムで迎え、そして継続的に満員感のあるスタジアムを創出できるよう取り組んでまいります。そのためには駐車場の確保やシャトルバスの手配を含めた交通アクセスの整備、観戦環境の見直し、そして集客施策など、対処すべき問題にひとつひとつ向き合っていきます。

【人事制度のさらなる整備】

リスタートから12年、業務委託契約のコーチスタッフを含めると100人を超えるスタッフを抱える組織となりました。多様な年代、バックグラウンドの方々が、多様化する当社の事業にそれぞれ従事しております。「100人100通りの人事」を合言葉に、ひとりひとりが主体的にやりがいを持って働き、コミュニケーションを重ねながら、お互いがチャレンジ・成長していける組織づくりに引き続き取り組んでまいります。また相談窓口の設置や産業医との連携などを通して、より安心、安全な環境でひとりひとりがパフォーマンスを発揮できる職場づくりにも取り組んで参ります。

【フットボール企画室の立上げ及び推進及びトレーニング環境の充実】

前述したアカデミーの課題感も踏まえ、2026年2月より、新たに「フットボール企画室」を立ち上げました。フットボール事業をより進化、成長させていくため、企画室が中心となってトップチーム、アカデミー、ホームグロウン、レディース間のコミュニケーションを増やし、横の連携を推進していきます。主な取り組みは、「岡田メソッドのブラッシュアップ」、コーチの成長を促す「コーチディペロップメント」、それぞれのカテゴリで優秀な選手を発掘、獲得していく「スカウト」、そして各カテゴリの情報を共有しあいレベルアップを図る「フットボール技術委員会」になります。

またトップチームをはじめ様々なカテゴリがより効果的にトレーニングができる環境を整えるため、活動拠点の増加や施設、設備の充実などにも取り組んでいきます。

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