この1年の重大ニュース振り返るシリーズ「いわてことし」は、クマです。岩手県内では、全国でもっとも多い5人がなくなるなど、災害級の被害が出ました。

1年の世相を表す漢字、ことしは…「熊」。

漢字が表す通りクマに振り回された1年でした。

■盛岡市東松園(6月29日)
「ちょっとクマ!クマ!」

■花巻市笹間保育園(10月14日)
「ちょっとまって」「ガラス割ってくるからやめたほうがいい」
「ドンドンしてるドンドンしてる」

■北上市鳩岡崎( 10月14日)
「うわぁークマ。走っていった」

■花巻空港(11月12日)
クマは岩手の空の玄関口にも…。画面奥には、飛び立つ前の飛行機も・・・

■盛岡市材木町(4月2日)
ことしのクマの出没はまさに異常事態でした。盛岡市の中心部にも。

■10月23日
山口記者「通勤通学時間帯の盛岡市中心部にクマが出没しました。クマは中津川の河川敷・藪の中に入っているようです」

盛岡市役所のすぐ裏手にある中津川の河川敷に出没。さらに、その5日後には。

■10月28日
今野記者「こちら岩手銀行の本店です。あちらのシャッターの向こうに子グマが入り込んだということで現場は緊張した状態が続いています」

今度は、県庁や銀行が立ち並ぶ場所に出没。銀行の駐車場にも、一時クマが居座り、朝の通勤・通学の時間帯が物々しい雰囲気に包まれました。

■盛岡市大通・岩手教育会館(11月18日)
クマがドアに激突

■手動ドア(12月1日・岩手県教育会館)
街中で相次ぐクマの出没に自動ドアを手動にするなど対策が取られました。

■大槌町養殖場(9月1日)
(サイレン)

県によりますと、今年度11月末現在で、県内で9079件のクマの出没がありました。
これは昨年度1年間のおよそ3倍。過去もっとも出没の多かった2023年度と比べても3000件多くなっています。

■原敬記念館(盛岡市本宮・10月20日)
災害級とも言えるクマの出没。人への被害もありました。

■7月4日
原記者「北上市和賀町山口地区です。付近は田んぼや林が広がるこちらの家で人が襲われました。その女性は亡くなったということです」

■北上市和賀町山口
北上市和賀町山口の住宅に1人で住んでいた当時81歳の女性が、居間で倒れているのが発見されました。女性の体には、動物の爪による傷が複数あったことなどから警察はクマに襲われて亡くなったと発表しました。

■10月16日
さらに10月・・・

栗谷川カメラマン「近くでは男性の遺体が見つかったそうです」

北上市和賀町岩崎新田の温泉旅館で、当時60歳の男性従業員が露天風呂を清掃していた時にクマに襲われました。現場には、血痕や引きずられたような跡もあり、翌日、露天風呂から50メートルの場所で遺体で見つかりました。
遺体のそばには、クマ1頭がいて、その場で猟友会によって駆除されました。

男性が襲われた2日前に温泉旅館に宿泊した人が撮影した写真にも、クマが出没したことを知らせる紙が張ってありました。

福島から宿泊していた客
「(露天風呂に)入りたかったんんですけどね。 入らなかったんですよ。ちょっとやめておこうと思って。 また来るなと思って。クマ。それで入らないで内風呂に戻ったんですよね。その時は。 いや、まさか温泉まで襲うっていうのは恐怖ですね」

さらに・・・

今野記者「男性は裏に山が広がるあちらの民家の庭で遺体で発見されました。現場には今も規制線が張られています」

一関市厳美町の当時67歳の男性がクマに襲われ、自宅の庭で遺体で見つかりました。
クマは猟友会によって駆除。亡くなった男性の衣類などから採取したクマの体毛をDNA検査したところ、駆除したクマと一致せず、襲ったのが別のクマであることが明らかになっています。

■奥州市胆沢小山(12月4日)
ことし県内では、全国で最も多い5人がクマに襲われ、亡くなっています。

■一関市厳美町(10月27日)
一関市のケースでは、遺体の近くで男性の飼い犬とみられる犬の死骸も見つかっています。
その5日前には、付近の別の住宅でも飼い犬が襲われていました。

クマの生態に詳しい専門家は。

岩手大学 山内 貴義准教授
「一つの危険なサイン。予兆になっている。そういった サインが出た際には、一時的に犬を室内で飼うとか、戸締りを 厳重にする。(異常行動を示した)個体をできれば、痕跡が残っていればDNAを調べて有害捕獲で捕獲して、DNAが一致するまではかなり高い捕獲圧をそのあたりに(かける必要がある)」

■洋野町種市(11月20日)
相次ぐクマの被害を受けて、ことし9月から市町村の判断で駆除できる緊急銃猟の制度が始まりました。

■釜石鈴子町(11月26日)
これまで県内で4件の緊急銃猟が行われています。

石原宏高 環境大臣
「人の生活圏からクマを排除し、周辺地域においても捕獲を強化することで【増えすぎたクマの個体数を削減】していくことを打ち出しています。その上で【人とクマのすみわけ】を実現していきます」

■警察のクマ訓練(11月12日・滝沢市)
警察庁は、警察官がライフル銃でクマを駆除できるよう規則を改正。また、政府は11月、クマ対策の新たなパッケージをまとめました。

その中で冬眠明けのいわゆる「春グマ駆除」を強化する方針を示めしました。クマの対策が進んだように見えますが、専門家は・・・

岩手大学 山内貴義准教授
「まだ雪が残っている山に複数人のハンターが入って足跡を追跡しながらクマを追いつめていって狙い撃ちする、かなり特殊な猟法なので、技術をもっているハンターがいない、何か対策はないかといって、意見聴取して、これ面白いという感じでトピック的に意見が上がったと思うが、やれるところはかなり少ない。成果は最初は出ない」

来年の春も要注意です。

岩手大学 山内貴義准教授
「温暖化の影響で、どうしても冬眠明けが早くなってきている。 (冬眠から)明けると、下草の新芽とか出てきた新緑の芽を食べたりするが、まだそれが十分に生える前に冬眠から出てきてしまう可能性があって、 その時に時間的ギャップが生まれてしまって、一時的に里に下りれば、おいしいものがあると学習したクマが下りてきてしまう可能性がある。 来年の春も出てくる可能性が十分ある」

■花巻市北笹間・笹間保育園(10月14日)
「ちょっとまって」「ガラス割ってくるからやめたほうがいい」
「ドンドンしてるドンドンしてる」

■中津川クマ(10月23日)
クマに悩まされた1年。19日も目撃情報がありました。冬眠しないクマもいると言われていて、まだまだ油断はできません。

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