野村アセットマネジメントは英国債への投資を増やしている。他の欧州諸国と比較すると利回りが魅力的なことが理由だ。

  運用部のシニア・インベストメント・オフィサーで、グローバル債券総合戦略を担当する前田有司氏は都内でのインタビューで、「利下げの余地があるとすれば、やはり英国だ。イングランド銀行(英中央銀行)は利下げがどちらかというと遅れており、欧州の債券で投資妙味があるとすれば、英国債だと思っている」と語り、「ドイツ国債やフランス国債と比べても利回り格差があり、英国債が投資しやすい」とした。

  英国債の利回りは今月に入り低下しているが、それでも英10年債の利回りは現在約4.4%と、同じ年限の日本国債の利回りがわずか1.6%程度であることを踏まえると、日本の投資家にとって魅力的な水準となっている。英国債に前向きな日本の資産運用会社は野村アセットだけではなく、アモーヴァ・アセットマネジメントもややオーバーウエートとしている。

英国債利回りは10月に低下

 

 

  前田氏は今年、英国債への投資ポジションを拡大してきたという。対象としては10年の年限を選んでいる。同氏は英国債が最悪な状況をすでに脱したと考えており、インフレ率が低下傾向にあり、財政状況の改善も見込まれることも挙げた。

  「トラス政権時の混乱があったため、英政府には緊縮財政を志向するインセンティブが働きやすいだろう」と指摘。11月発表の予算案に増税が盛り込まれる見込みであることは、投資家にとって前向きな兆候だと付け加えた。

  前田氏は今後6-12カ月の間、英国債を魅力的とみている一方で、長期的には英経済が直面するリスクも認識している。財政面の課題が続いていることや、英国の欧州連合(EU)からの離脱による影響がなお残っていることが懸念されるためだ。

  「長期的な視点では、移民流入やインフレ懸念を踏まえると英国が安定したと言いきれず、財政規律がどの程度守られるのかについてもまだ確信は持てない」と指摘した上で、短い期間の投資には良い水準と見ていると述べた。

原題:Nomura’s Maeda Says Gilts Are Most Compelling Bet in Europe(抜粋)

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