公開日時 2025年09月24日 05:00更新日時 2025年09月24日 08:09

沖縄の水道「二重苦、三重苦」 減る交付金、遠い水源 PFAS除去費まで肩代わりも
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琉球新報朝刊

 国の一括交付金のうち、沖縄県内の水道用水供給事業を担う県企業局に対するハード交付金の予算額が、要望額と乖離(かいり)する状態が続いている。10年前は要望の9割程度の予算が確保されていたが、最近は3割ほどしかなく、施設整備の遅れにつながっている。米軍由来とみられる有機フッ素化合物(PFAS)の除去費を県が肩代わりする懸念も浮上しており、企業局の経営は「二重苦、三重苦」(与党県議)に陥っている。

 県によると、ハード交付金要望額に対する予算の措置率は、2015年度が84・6%だった。16年度も92・9%と高い水準で予算を確保した。ハード交付金は、復帰直後に急速に整備され、現在は老朽化した施設の更新などに充てられた。

 しかし、17年度以降は予算は減額傾向が続いた。県は予算が付かなかった分を翌年の要望に回すも、予算はさらに減額。年を追うごとに膨れる要望額と、実際に付けられる予算額の乖離が進み、23年度の措置率は31・9%まで低下した。25年度は前年度に補正予算を確保できた関係で改善したものの、当初予算では4年連続で30%台が続いている。

 

 予算が付かないことで工事に遅れも出ている。23年度には、施設更新の完了が6年遅れていた増圧ポンプ場が台風襲来時に故障し、宜野湾市や中城村の一部で11時間の断水が起きた。施設更新が進まないため、いまだに復帰前の米国規格の管路も残されている。

 県は24年度以降、施設整備に関する計画をハード交付金に依存しない方針へ転換。さらに工事費の高騰や電気料金の値上げも踏まえ、水道料金の段階的値上げに踏み切った。

 もともと、沖縄本島は河川規模が小さく、多くの水源が必要だ。水源地の北部と消費地の中南部が離れているという地域事情もある。そのため、水が通る管路は全国の約2・1倍、水を流すためのポンプの台数は3・8倍と、水道施設の整備や管理の負担が大きい。施設が多いことで、電気代の値上げの影響も大きく受ける。離島もあり、沖縄の水道事業は地理的に高コスト構造という問題を抱えている。

 沖縄は高率補助の恩恵で、減価償却費は他府県より低く抑えられている。しかし、米軍由来の蓋然性(がいぜんせい)が高いPFAS汚染や、政治的要素で増減する一括交付金など、他府県にはない懸念もある。与党県議の一人は「二重苦、三重苦で県民に負担をかけるようなことは許されない」と語った。
(稲福政俊)

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