北アルプスの薬師峠キャンプ場にクマが現れて登山者の食料などを食べていたことは、きのうのKNB ニュース エブリィでお伝えしました。
専門家は、人への警戒心が薄い若いクマが餌を求めて現れたと指摘するとともに、この秋は山の実りが少ない可能性があり、人里への出没が増えるおそれがあるとしています。

おととい夕方、標高2294メートルの薬師峠キャンプ場にクマ1頭が出没。登山者のテント内にあった食料を食べたり持ち去ったりしました。
このクマは、若いクマとみられています。

クマの生態を約20年研究している富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「親離れはしているけど、離れて日がたってない。まだ人に対する警戒心が身についてない」

赤座さんは、夏のこの時期クマは比較的標高の高いところで餌を探すといいます。

富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「(標高の)高いところは植物の芽吹きが遅いから雪解けラインを追いかけて、標高をあげながらやわらかい食べ物を食べるのが北アルプス山麓の動物の一般的な移動パターンなので、稜線(尾根)付近にクマがこの時期にいるのは、ごく普通のこと」

きのう、キャンプ場から下山した登山者の中には、クマの被害にあわないために対策する人の姿もありました。

登山者
「クマ鈴を大きく鳴らしながら人が歩いてるよということをクマに知らせながら、あとあまり離れないようにね」「こういった形のスプレーをカバンのここにぶら下げて、なんかあればピン抜いて噴射できるようにして準備してました」

赤座さんは、被害を防ぐにはクマの生態を理解することが必要と話します。

富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「(クマは)個体差が大きい。すごいナイーブなクマとかなり人に対しても大胆なクマなど、個性が変化に富んでいる。音を鳴らしながらも、新しい糞がないかや草を踏みしめた跡がないかとか人の感覚でクマの気配を感じる努力はすべき」
「(スプレーは)できたら5~6メートル、接近したところで顔面にかける。蚊とかアブとか避けるために部屋でまくようにかけても効果ない。ピンポイントにかけるのが大切」

さらに赤座さんは、秋にクマの主な餌となる木の実が今年は例年に比べて不作になる可能性があり、クマが餌を求めて人里に近づくおそれがあると指摘します。

富山県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「春先のブナを見ると、花の付き方が少ない。去年良かっただけにその揺り戻しみたいな形で(ブナとミズナラ)両方とも不作になるかもしれない。食べないカキの実は除去する、場合によっては木を伐採して、エサ資源をなくしましょうと呼び掛ける。もう一つは移動ルート。クマは神経質な動物なので、草藪や樹林の茂みを移動する河川敷や裏山をすっきりさせて見通しをよくすると、移動しづらくなる。クマを人里へ誘い出さない準備を今の時期からしたほうが良い」

例年、秋はクマが餌を求めて人里へ出没することが多くなります。
やぶの草刈りなど早めの対策が必要です。

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