(CNN) 米国最大の心臓健康団体「米国心臓協会」がこのほど、超加工食品の摂取に関する待望のガイドラインを発表した。

この数日後には、ロバート・ケネディ・ジュニア保健福祉長官が主導する「米国を再び健康に(MAHA)」委員会の第2次報告書が公表される予定。

5月に公表されたMAHAの第1次報告書では、超加工食品が子どもの慢性疾患にどのような影響を与えているかが説明されていた。12日までに発表予定の第2次報告書では、政策変更の提案が示される見込みだ。

米国心臓協会の主なメッセージに意外性はない。大半の超加工食品は心臓の健康を含めて体に有害であり、食品業界による生産や、規制当局による承認を停止する時期に来ているとの内容だ。

しかし意外にも、米国心臓協会は議論の的になっている「全ての超加工食品が体に悪いのか」という問題にも正面から踏み込んだ。

全てが体に悪いわけではないかもしれない、というのが米医学誌サーキュレーションに掲載された新ガイドラインの説明だ。ただし報告書によると、実際には、健康的なのは「特定の全粒粉パン、低糖ヨーグルト、トマトソース、ナッツや豆をベースにしたスプレッド」といった一部にとどまる。そうした「健康的」な選択肢にしても、この状況が続くか確認を怠らないようにする必要があると、報告書は付け加えている。

今回の結果は喜ぶ理由にはならない。そう語るのは、報告書執筆グループの副委員長を務めたクリストファー・ガードナー氏だ。「砂糖や塩、脂肪だらけの大多数の超加工食品より少しだけ健康的なものがあるからといって、業界を免責すべきではない」とガードナー氏は指摘した。

ガードナー氏はスタンフォード大学の医学教授で、スタンフォード予防研究センターの栄養研究グループを率いる人物。「塩や砂糖、脂肪の摂りすぎが有害だという証拠は山のようにある。これはジャンクフードの時代から分かっていたことだ」と話す。

「しかし、現代のジャンクフードは見た目を良くする添加物で超加工されており、過剰摂取や膨大な健康問題につながっている」「それこそが問題だ。もっと対策に力を注ぐことはできないか」(ガードナー氏)

米国心臓協会が超加工食品の摂取に関する待望のガイドラインを公表した/Dzevoniia/iStockphoto/Getty Images/File
米国心臓協会が超加工食品の摂取に関する待望のガイドラインを公表した/Dzevoniia/iStockphoto/Getty Images/File

米国心臓協会のガイドラインは医療の専門家や政策立案者から高く評価されており、専門家の間では、超加工食品の問題に取り組むのにこれ以上のタイミングはないとの声が上がっている。米疾病対策センター(CDC)が7日に公表した新データでは、1歳以上の米国人は1日の摂取カロリーの55%を超加工食品から摂取していることが判明。この割合は1~18歳の子どもでは62%に跳ね上がる。

これは憂慮すべき数字だと、米国心臓協会の報告書は指摘する。これまでの研究の結果、超加工食品と心臓発作や脳卒中、2型糖尿病、肥満、全死因死亡率との間には用量反応関係があることが明らかになっているためだ。

昨年2月に発表された、1000万人近くを対象とした45件のメタ分析のレビューによると、超加工食品を1日1食多く摂取するだけで、心血管疾患関係の死亡リスクがおよそ50%高まる。超加工食品の摂取量の増加は肥満リスクを55%、睡眠障害を41%、2型糖尿病の発症を40%、うつ病のリスクを20%増加させる可能性もあるという。

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