公開日時 2025年07月25日 05:00更新日時 2025年07月25日 17:46
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ビルゴリノ・アドリアノ氏が経営する「ダスアルマス農園」=17日、ブラジル・カボベルデ(共同
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共同通信社
トランプ米大統領が表明した50%の関税に、世界一のコーヒー豆生産国ブラジルが揺れている。米国は最大の輸出先。高関税は競争力を奪うだけでなく、米国民が好む「アメリカン」の味わいにも影響を及ぼしかねない。一大産地の「コーヒーの町」に激震が走る。
収穫期を迎えたコーヒーの木が青々とした森のように山の斜面に広がる。南東部ミナスジェライス州カボベルデにあるダスアルマス農園。経営者のビルゴリノ・アドリアノ氏は「ここの豆はよく熟成し、風味が良いのが特徴だ」と胸を張った。日当たりが良くて寒暖差も大きく、水が豊富で害虫が少ない。生産に理想的な環境だ。寒さで成熟のスピードが遅くなり、時間をかけて育つため味が豊かになるという。
全米コーヒー協会によると、米国では成人の66%が毎日コーヒーを飲み、1日約5億杯を消費。最も人気の飲料だ。大半を占める外国産のうちブラジル産は消費量の3分の1に上り、スターバックスなど大手も採用する。米国だけでなく欧州や日本でも評価が高い。
味に変化も
ミナスジェライス州は高級種アラビカを中心に国内生産の約半分を担う一大産地。中でもグアシュペは最大規模の生産者協同組合「コーシュペ」が本部を置く「コーヒーの町」として知られる。
「本当に心配している。米国が価格を抑えようと関税の低い国の豆を選べば競争力が失われる」。同組合の貿易部門の責任者ルイス・フェルナンド氏は危機感をあらわにした。組合が手がけるコーヒー豆のうち、米国向けは3割を占める。
ブラジル産は甘みを持ち、酸味が特徴的なコロンビア産などの豆とブレンドされることも多い。ブラジル産の使用量が減れば、配合が変わってコーヒーの味に変化を与える可能性もあるという。
米国は生産量世界2位のベトナムに対する関税を当初46%としたが、20%に下げた。当初10%だったブラジルと形勢が逆転。フェルナンド氏は「私たちにとって試練だ。米国とブラジル双方に痛手で、状況を覆してほしい」と交渉進展を願う。
変わらぬ需要
一方、高関税は米国により深刻な打撃を与えるとの見方も。アドリアノ氏は「コーヒーの需要が高いことに変わりはない。米国が駄目でも別の国に売れる。ブラジルの生産者には影響しないのではないか」と分析する。
コーヒー価格の上昇で影響を受けるのは米国の消費者だと指摘。「米国人もコーヒーを飲みながら、関税撤回を考えるだろう」。アドリアノ氏はトランプ氏の“変心”を期待した。(グアシュペ共同=高木勝悟)

