ロンドンのソーホーにあるTwentieth Century House(2022年11月撮影)。Google Streetviewイギリスのロンドン中心部にあるかつての20世紀フォックスの本部「Twentieth Century House」が集団によって占拠されている。ロンドンではこうした事例が相次いでいて、イギリスの有名シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏のレストランもその1つだ。Twentieth Century Houseはディズニーが20世紀フォックスを買収した後、2019年に明け渡された。
ロンドン中心部にあるかつての20世紀フォックスの本部「Twentieth Century House」が集団によって占拠されているとEvening Standardが報じた。
ロンドンではこうした事例が相次いでいて、不法占拠された有名な建物はここ数週間でこれが3件目だ。
ロンドン警視庁は4月上旬、カムデンにあるイギリスの有名シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏のレストラン「ヨーク&アルバニー」(一時休業中)を占拠している集団を発見した。
警察は他にも、レスター・スクエアにあるイギリスの有名シェフ、マルコ・ピエール・ホワイト氏のレストラン(休業中)から400人の不法占拠者を最近排除したとTelegraphは伝えている。
1937年に建てられたTwentieth Century Houseはディズニーが20世紀フォックスを買収した後、2019年に明け渡された。その後、ガーディアンによると、イギリスの映画界や音楽界からの強い反発を受け、2020年に取り壊しを免れた。
Twentieth Century House(1956年撮影)。Mirrorpix/Getty Images
Evening Standardによると、建設業者がここ数カ月、備品を撤去するなどしていたが、今では集団が無断で建物を占拠している。
彼らは裁判所の命令がなければ法律上立ち退くことはできないと、建物の正面に通知を貼り出しているという。
世界の主要都市では生活費の高騰をめぐる”怒り”が高まっていて、生活苦にあえぐ人も少なくない。Twentieth Century Houseの不法占拠者たちの動機は不明だが、知名度の高い空きビルは家賃や不動産価格の上昇に腹を立てた人々の標的になっている。

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貧富の差が極めて大きい地区の1つ、カムデンにあるゴードン・ラムゼイ氏のヨーク&アルバニーを占拠した集団にとっての焦点は、高すぎる家賃だった。
カムデン・アート・コレクティブと名乗るこの集団の一部は、地域の貧富の差を浮き彫りにするためとして、一時的にこの場所をカフェとして開放し、無料の食事とアート・ワークショップを提供した。
無断居住者たちによって占拠されている「ヨーク&アルバニー」(2024年4月15日、ロンドン)。Grace Dean/Business Insider
この団体は法的な通知を受けて建物を後にしたが、4月17日には「建物に残された人々の幸運を祈る」との声明を投稿し、不法占拠者がまだ建物内にいることを示唆した。
Business Insiderはラムゼイ氏の代理人にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
イギリスでは、これは簡単に解決できる問題ではないと法律の専門家はBusiness Insiderに語っている。
居住用不動産の不法占拠は2012年に刑事犯罪になったが、商業ビルの不法占拠は民事の問題で、不法占拠者を排除するには、物件の所有者は複雑かつしばしば費用のかかる裁判手続きを踏む必要がある。
地元住民は、Twentieth Century Houseの不法占拠者たちに対して複雑な感情を抱いているとEvening Standardは伝えている。
近くで働くある会社員は、不法占拠者たちの存在は「頭痛の種で本当に心配だ」と話していて、建物の外で用を足したり、薬物を摂取するといった問題もあると付け加えた。
ただ、ロンドンのように物価が高いことで有名な都市で空きビルを占拠する人を支持する声もあった。

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