公開日時 2025年06月10日 06:19更新日時 2025年06月10日 06:20
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異なる種の交雑が起きた第2世代のサンゴ=瀬底島周辺(守田昌哉准教授提供)
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前森 智香子
琉球大学熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設の守田昌哉准教授らによる研究チームはこのほど、1998年に大規模な白化現象が起きた本部町瀬底島周辺の造礁サンゴで、ミドリイシ属のサンゴが異種間で交雑し、遺伝子浸透が進んでいることが分かったと発表した。周辺の海水表面温度は緩やかに上昇しており、白化のリスクは高まっているが、同地域のサンゴ群集は回復傾向にある。交雑によって環境変化に適応している可能性があるという。
10日に生命科学分野の学術誌の電子版に掲載された。瀬底研究施設では、大規模白化後、長年にわたって瀬底島周辺でサンゴ観察を続けてきた。今回の研究では、大規模白化後に回復したとみられるオヤユビミドリイシ、サンカクミドリイシ、ツツユビミドリイシに着目。DNA情報の解析などを行った。
遺伝子の混ざり具合を調べると、異種間で遺伝子のやりとりが起きていることが分かった。交雑は25年以内に発生したと推定された。水温上昇などに対抗し、「生き残るための戦略」として交雑が機能した可能性があるという。
守田准教授は、「ミドリイシ属の中でも、こうした交雑が起きている種類は限定的だろう」と推察。今後、交雑によって取り込まれた遺伝子がどのような働きをするかの検証や、他地域との比較などによって、サンゴの保全に必要な情報提供ができるようになるとした。
(前森智香子)
