4月の米小売売上高は前月に比べて伸びが大幅に鈍化し、わずかな増加にとどまった。関税に伴う物価上昇への懸念が広がる中、消費者は特に自動車やスポーツ用品など輸入品の分野で支出を控えた。
キーポイント米小売売上高は前月比0.1%増市場予想は横ばい3月は1.7%増に上方修正-約2年ぶり大幅増自動車を除いたベースでは0.1%増データはインフレ調整を加えていない

4月は13分野のうち7分野で減少。スポーツ用品、ガソリン、衣料品が特に低調だった。前月に大きく伸びた自動車販売は小幅に減少。小売売上高統計で唯一のサービス分野である飲食店は、前月に続き堅調な伸びを示した。
3月には、米消費者はトランプ大統領の関税発動を見越して購入を増やしていた。4月の統計では逆に支出を抑制している状況が示唆され、成長減速に対する懸念が強まりそうだ。消費者心理が悪化する中、企業や投資家、エコノミストの間では、見通しに対して慎重な姿勢が広がっている。
米中の貿易合意を受け、今週に入り消費支出や経済全体の先行きに対する懸念はいくらか和らいだ。ただトランプ氏は関税を再び大きく引き上げる可能性はあると警告しており、市場関係者らは関税がなおインフレを押し上げ、成長を損なうと予想している。
パンテオン・マクロエコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、オリバー・アレン氏は「5月と6月の統計で支出が大きく鈍化すると考える理由は十分あると、われわれはみている」とリポートで指摘。「小売業者は先月は恐らく、新たな関税に伴う価格上昇を見越した最後の駆け込み購入によって恩恵を受けた可能性が高いが、それが長く続くことはない」と分析した。
国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は0.2%減となった。
4月の小売売上高の発表に先立ち、アトランタ連銀の「GDPナウ」は4-6月(第2四半期)のGDPについて2.3%増になるとの予測を示した。これは関税前の輸入急増を背景とした1-3月(第1四半期)のマイナス成長からの顕著な回復を意味する。今後数週間にさらに経済データが発表されるにつれ、GDPナウの予測値は変動する見通し。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、エステル・オウ、イライザ・ウィンガー両氏はリポートで、「4月の小売売上高データは、スポーツ用品など財の複数分野で減少が示された。そうした分野は中国からの輸入依存度が高いことから、それが要因と考えられる」と記した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Retail Sales Barely Rise, Suggesting Some Spending Pullback(抜粋)
(統計の情報を追加し、更新します)
