<神・広>1イニングを無失点に抑え、藤田(左)と笑顔で言葉をかわす阪神・工藤(撮影・北條 貴史)
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 具志川組から「火の玉ストレート」の原石発掘だ!阪神は16日、開幕カードの相手である広島と宜野座で練習試合を行い、育成ドラフト1位・工藤泰成投手(23=四国・徳島)がルーキー一番乗りで実戦登板を果たした。8回から6番手でマウンドへ上がり、自己最速にあと1キロと迫る158キロをマークするなど1回を1安打無失点と快投。華々しいデビューで、支配下昇格へ藤川監督にアピールした。

 背番号127のルーキーが、宜野座に詰めかけた1万2500人のファンをどよめかせた。8回先頭の末包に投じた工藤の2球目、バイトするならエントリー宜野座スタジアムに表示された球速は158キロ。パワーが売りの末包の打球は、力ない右飛となった。1回をわずか6球で1安打無失点。150キロ超の直球でねじ伏せた。

 「もちろん皆さん1軍ということで少し力が入ってしまったんですけど、その中でも良い緊張感で投げられたかなと思います。自分の強みである真っすぐで押せたというのは、良いところかな」

 自慢の直球は1軍の舞台でも十分、通用した。1死後、仲田に抜けた直球を中前打されたが、4番・二俣を155キロで遊飛、ドラフト4位の渡辺を154キロで中飛と、いずれも詰まらせた。現役時代に「火の玉ストレート」が代名詞だった藤川監督は「球の強さはありましたよね。良い練習ができたと思います」と目を細めた。

 今キャンプはここまで具志川組だが、早期の支配下昇格に向け、休日返上で取り組むなど貪欲に練習と向き合ってきた。最速159キロの直球は、現在は「力感のないフォームで(球速)150キロ後半を投げるのが目標」とキャッチボールから軽く良いフォームで投げることを心がける。

 マウンドでも目を引くのは鍛え上げられた逆三角形の肉体。この日も、先輩たちから「マッチョマン」と声をかけられ、少し照れくさそうにはにかんだ。東京国際大2年時からウエートトレーニングに目覚め、入学時65キロだった体重は卒業時には80キロまで増量。最速142キロだった直球は、3年春には153キロまでアップした。プロ初の実戦で自己最速まで1キロに迫る猛アピール。それでも「(直球の状態は)70%くらい」と、まだまだ満足していない。

 アピールを重ねた先に支配下登録、1軍の公式戦登板を思い描く。「しっかりかなえられるように、一日一日を大切にしてやっていきたい」。そのストレートを武器に、球児阪神でサクセスストーリーの第一歩を踏み出した。(山手 あかり)

 ◇工藤 泰成(くどう・たいせい)2001年(平13)11月19日生まれ、秋田県出身の23歳。明桜(現ノースアジア大明桜)では3年夏の秋田大会準優勝で甲子園出場なし。東京国際大を経て24年は四国・徳島でプレーし、8勝でリーグ最多勝。24年育成ドラフト1位で阪神入り。1メートル77、82キロ。右投げ左打ち。

 ▽阪神・安藤投手チーフコーチ(工藤の投球に)初めてにしては、良いもの見せてくれた。(今後も1軍で投げる)可能性はあるんじゃないですかね。あれだけのピッチングをしてくれたので。

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