文献調査受け入れについて発言する玄海町の脇山町長(22日午後、東京都千代田区で)=上本虎之介撮影 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場の選定の第1段階「文献調査」の受け入れを決めた佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が22日、原発立地自治体の首長らが集まる会合に出席し、「(処分場選定が)全国的な議論に広がるように、国も一生懸命取り組んでいただきたい」と訴えた。
会合は、東京で開かれた立地自治体など28市町村の首長らでつくる「全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)」の定例総会で、経済産業省など国の関係者も多数出席していた。脇山町長は文献調査の受け入れについて「苦渋の決断だった」と振り返り、「(調査を求める請願を採択した)町議会も一石を投じる気持ちでされた」と述べた。
その上で、文献調査の動きが、北海道電力泊原発(北海道泊村)の周辺自治体である
寿都(すっつ)
町、
神恵内(かもえない)
村と玄海町にとどまっている点に触れ、「原発立地自治体や周辺自治体のみの問題ではない」と強調。全国的な議論の必要性を訴えた。
全原協の会長を務める福井県敦賀市の米沢光治市長は「(玄海町が)課題に向き合い、
真摯(しんし)
に議論をされたことに心より敬意を表する」と語った。ほかの首長からも敬意を示す発言や、国民的議論を求める声が上がった。
同県高浜町の野瀬豊町長は処分場について「ネガティブなイメージがある。交付金だけではないインセンティブ(動機付け)の見直しが必要だ」と主張した。 終了後、報道陣の取材に応じた脇山町長は、処分場について「日本のどこかに造らなくてはならない課題。(町の調査受け入れで)最終処分場になり得ると自治体が手を挙げていただけるとありがたい」と話した。公募20年、国が選定主導 最終処分場の選定は、公募開始から20年以上たった今も議論が広がらない状況が続いている。国は当初、自治体が名乗りを上げるのを待っていたが、近年は自治体側に調査を申し入れるなど、選定を主導している。 公募は2000年成立の最終処分法に基づいて02年に開始。07年に高知県東洋町が初めて応募したが、住民の反対で撤回した。
その後は応募がなく、政府は15年、国が選定を主導する新たな基本方針を閣議決定。20年に北海道の
寿都(すっつ)
町が応募、
神恵内(かもえない)
村が国の申し入れを受諾した。文献調査の結果、それぞれ第2段階の「概要調査」の候補地になるとの報告書案が公表されたが、概要調査に進むには知事の同意が必要で、鈴木直道・北海道知事は反対する意向を示している。
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