北海道猟友会の砂川支部奈井江部会が、人員が確保できないなどとして、北海道奈井江町に対し、クマの駆除対策に協力できないと伝えていたことが、明らかになった。活動に対する報酬も不十分としており、山岸辰人部会長は「負担が大きすぎる」と話している。 町によると、奈井江部会に4月、クマが出没した際の見回りや「箱わな」による捕獲などの業務を担う鳥獣被害対策実施隊への参加を要請した。これに対し、同部会は5月18日付で三本英司町長宛てに「人員体制の問題で町への協力を辞退したい」と文書で伝えた。山岸部会長は取材に、「会員は38~73歳の5人で通常の業務を抱えており、平日の緊急出動は難しい」と語った。

 町が示した報酬は、日当4800円、出没地周辺の見回りなどのヒグマ対策が3700円。このほか発砲した場合1800円が支給される。業務には駆除したクマを軽トラックなどで処理場に運搬し、焼却処分するための解体といった作業が盛り込まれている。山岸部会長は「妥当な金額とは思えない」と訴えている。 町では昨年、約20件のクマの目撃情報があり、ゴルフ場に出没した際は、町からの要請を受けた猟友会が、出動した。町は今後も奈井江部会と協議する方針という。近隣自治体は増額の動きも 読売新聞のまとめでは、奈井江町に比べて高い報酬を設定する自治体は複数ある。浦臼町は出動したハンターに対し、駆除の有無にかかわらず1日1万5000円を支払う。芦別市は出動1回で1万1000円、駆除した場合は1頭3万円を支払っている。 奈井江町の近隣では昨年、クマの出没が増えたことで報酬を増額する動きもある。美唄市では今年度、地元猟友会と年間契約するための予算を昨年度から128万円増やし、506万円とした。新十津川町では駆除した場合1人あたり1万9000円としていたが、今年度から1頭あたり6万円支払う方式に変更。2~3人で出動すると想定し、1人最低2万円確保できるように調整している。 北海道猟友会によると、報酬額は市町村が地元猟友会などと協議して個別に決めている。札幌市では半日の巡視で1人あたり2万5300円支払われる。一方、巡視では日当がない自治体もある。猟友会の斉藤哲嗣専務理事は「クマへの対応はどこでも命がけ。一般論だが、近隣と報酬の差が大きい場合、少ない方が不満を持つことはあり得る」と話した。

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