現職の自治体トップが逮捕される異例の事態となった佐賀県神埼市のふるさと納税PR強化事業の業務委託を巡る官製談合事件。佐賀地裁で20日に行われた前市長の内川修治被告(72)らの初公判は、開廷前から多くの傍聴希望者らが地裁に集まり、注目の高さをうかがわせた。市民からは改めて、不正の再発防止や市政への信頼回復に期待する声が聞かれた。(小林夏奈美)佐賀地裁で傍聴整理券の配布に並ぶ傍聴希望者ら佐賀地裁で傍聴整理券の配布に並ぶ傍聴希望者ら 「異論はございません」

 午後1時半に始まった初公判の罪状認否。官製談合防止法違反(入札妨害)などに問われた内川被告は、スーツ姿で証言台に立つと、はっきりとした口調でそう語った。 その隣に立ったのは、事業の受託業者(4月末で解散)の元代表取締役で、公契約関係競売入札妨害罪に問われた被告(62)。「全て認めます」。元代表取締役の被告も起訴事実を認め、公判の最後には「多くの人にご迷惑をかけた。本当に申し訳ございません」と頭を下げた。 トップの逮捕で市政への信頼が大きく揺らいだこの事件。地裁には約120人の傍聴希望者が訪れ、19席の傍聴席を巡って抽選が行われた。傍聴整理券を受け取る列に並んだ佐賀市の50歳代女性は「当事者たちの考えを知りたくて来た。県民として裁判を見守りたい」と話した。 一方、神埼市では事件を受け、市議会が事業や契約などの監視方法を検討する特別委員会を設置するなど、再発防止に向けた取り組みが始まっている。ある市職員は「事件を機に市政のあり方を見直し、しっかりと改善していきたい」と引き締め、同市の50歳代の主婦は「裁判で真相が明らかになり、クリーンな市政運営が行われるよう期待している」と話した。

Share.