千代田区の日比谷地区で開かれている謎解きゲーム
謎解きゲームについて説明する広瀬さん コロナ禍の収束を受け、謎を解きながら自分の足で目的地を目指す「謎解きゲーム(脱出ゲーム)」を活用した観光や街イベントが人気を取り戻している。リアルな世界で楽しむ需要の高まりにより、市場規模が回復しているだけでなく、作り手側を後押しする動きも出てきている。(石坂麻子)
千代田区の東京ミッドタウン日比谷で4月末、八王子市のベビーシッター、遠藤潮美さん(39)は、案内板や記念碑に記された言葉や説明をヒントに、謎解きゲーム「ヒビとあなたの不思議な1日」に取り組んでいた。 怪しい女性に託された日比谷の精霊「ヒビ」と一緒に、日比谷公園や周辺のビルなど日比谷の街を巡りながら、謎を解いていく設定だ。遠藤さんは「難しいけれど、1日、日比谷を巡りながら楽しめそうです」と話した。 日比谷地区のにぎわい・活性化に取り組む一般社団法人「日比谷エリアマネジメント」の主催で、今月31日まで行われる。昨年12月から始まり、すでに8000人近くが参加しているという。参加費は500円で、ケーキサービスなどのクーポンがつく。ゲームをクリアしてインターネットでアンケートに回答すると、カタログギフトなどの商品が抽選で当たる。 ゲームを企画制作した株式会社ハレガケ(NAZO×NAZO劇団)の広瀬大悟さん(36)は「日比谷は、映画や演劇など様々な魅力があるが、それぞれの目的だけのために来街する人が多い。主催者側から滞在時間を長くする要望があり、街を巡ることができるようゲームを設定した」と話す。 日比谷周辺であまり知られていない一面もゲームで紹介するようにした。たとえば、5000円札の顔としても知られる作家、樋口一葉は日比谷公園近くの内幸町の生まれのため、生誕地の記念碑を謎解きのスポットの一つとした。広瀬さんは、「隙間時間で、日比谷の新しい魅力も見つけてほしい」と話す。 謎解きゲーム自体は、2009年頃から普及し始め、2015年頃から需要が大きく伸びてきた。当初は遊園地や動物園などの施設で遊ぶゲームだったが、最近は自治体や商店街などをエリアに設定して楽しむものが増えている。都内では現在、東京や東京メトロに隠された謎を解き明かしながらゴールを目指すゲームや、日本橋で江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜をテーマにしたものなど、様々なゲームが行われている。 「NPO法人 国際ゲーム開発者協会日本 体験型エンタテインメント専門部会」によると、業界上位6社の売り上げは、2011年で計1億円だったが、2019年には計60億円に急成長。コロナ禍の20年には計40億円までにしぼんだが、23年には再び計60億円に戻っている。コロナ禍での巣ごもり生活の反動があるとみられる。 ゲーム作成を後押しする動きもある。高校生が、謎解きゲームを制作しゲームのおもしろさを競う「リアル脱出ゲーム甲子園」が、2022年から開催されている。今年は第3回が開催予定で、8月に都内で本選が行われる予定だ。本選時には一般客も高校生が考案したゲームを体験できるという。 リアル脱出ゲーム甲子園を企画したSCRAP社では「各地の高校の文化祭などでも脱出ゲームが作られてきている。ゲームを制作する生徒たちへの感謝を込めて、作品に光が当たる場所になれば」としている。
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