工事現場に敷き詰めて、重機の通路として使われる「
敷鉄板(しきてっぱん)
」が、福岡県などで盗まれる事件が相次いでいる。サイズによっては1枚20万円を超える商品もある“高級品”で、工事現場にクレーン付きのトラックで乗り付け、大量に盗む手口も。鉄価格の高騰を背景に売却益を得る目的とみられるが、工事現場の防犯は難しく、業者側も頭を悩ませている。(藤本鷹史)
敷鉄板が設置された工事現場(14日午前、福岡市で、画像の一部を修整しました)=中山浩次撮影敷鉄板が設置された工事現場(14日午前、福岡市で、画像の一部を修整しました)=中山浩次撮影 「設置していた柵を撤去されて、盗まれた。ただ、警備員の常駐など、これ以上の対策は費用面を考えると難しい」

 福岡県筑後地区の建設会社社長(60)は、こう漏らす。 この会社は昨夏、河川工事の現場で敷鉄板7枚を盗まれる被害に遭った。リース会社への弁償額は約170万円にも上ったという。 福岡県内では2022年から敷鉄板が盗まれる事件が続発。県警は昨年8月以降、配管業の被告(58)(常習累犯窃盗罪で公判中)ら男6人(29~58歳)について、同2~7月に福岡、佐賀両県の工事現場で敷鉄板の窃盗を繰り返した窃盗と建造物侵入の疑いで複数回逮捕した。逮捕・起訴された分だけでも、被害は少なくとも100枚(被害総額900万円)以上に上り、更に広がる可能性がある。 敷鉄板は工事現場などで使われ、ぬかるみで不安定な地面に設置して、重機がはまったり、工事車両のタイヤが汚れたりすることを防ぐ。特に、整地用の土の運搬や資機材の搬入で重機などを使う初期の工事で不可欠という。 一連の事件では、幅1・5メートル、長さ6メートル、重さは1・5トンほどの大型のものが狙われた。6人はいずれも普段は建設関係などで働いており、現場などで知り合い、仕事で各地を飛び回る傍ら現場を選定。作業員らがいなくなった時間帯にトラックを乗り付け、荷台に備え付けたクレーンで鉄板を積み込み、持ち去っていた。捜査幹部は「素人では簡単に運べないが、重機の扱いに手慣れていたからこそ可能だったのだろう」とみる。 1 2

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