本の街として知られる千代田区神田神保町に、直木賞作家の今村翔吾さん(39)が手がけるシェア型書店「ほんまる」が27日にオープンする。全国的に書店数が減少している中、その流れを食い止めたいと書店経営に乗り出している今村さんは、「これから『ほんまる』を47都道府県に広げていきたい」と意気込む。(石坂麻子)「ほんまる」について語る今村さん「ほんまる」について語る今村さん ほんまるは16坪の1階、地下1階に、364棚を備える。通常の書店と違うのは、本の品ぞろえだ。棚を借りた棚主が、思い思いの本を並べて販売する。

 棚主は、一般の人から作家、俳優、自治体、企業など様々。今村さんは「本棚を見たら、どういう思考回路をしているか分かると言われる。お客さんには、そんな楽しみ方もしてもらえるのではないか」と話す。 ほんまるのロゴや店舗デザインを手がけたのは、日本を代表するクリエイティブディレクターの佐藤可士和さん。ほんまるには、「出版界をこれからよくしようとする反撃の本丸」、「人と人、人と本をつないでいく」といった思いを込めたという。 ネットによる本の販売や電子書籍が台頭する現在、全国で書店の減少に歯止めがかからない。日本出版インフラセンターによると、2023年度の全国の書店数は1万918店で、10年前と比べて約3分の2に減少。出版文化産業振興財団が24年に行った調査では、書店のない市町村は、482に上る。
 「このままでは街からもっと書店が減ってしまうのではないか」と危機感を募らせた今村さんは21年、大阪府箕面市にある「きのしたブックセンター」の事業を引き継いだ。23年12月には、佐賀市のJR佐賀駅構内に「佐賀
之(の)
書店」を開業した。
 ほんまるでは、今村さんも棚主の一人となる。歴史作家としての自分を作り上げてきた歴史の本を並べる予定だ。その中でも、池波正太郎の「真田太平記」は特に思い入れがあるという。小学5年生の時、母親とたまたま立ち寄った書店で、初めての歴史小説として出会った。「この本をきっかけに、本を読みふけるようになり、読む速度に歴史小説が追いつかなくなり、ついには作家になった大事な一冊」と振り返る。 棚主の募集も続けている。入会金1万2650円が必要で、1棚当たり月額4850円から販売しており、場所などの条件に応じて価格が7プランある。新刊は定価、古書は棚主が値段を決め、販売手数料は1冊当たり5%に設定している。申し込みは、ほんまるの申し込みフォームから。

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