名古屋大病院(名古屋市昭和区)は11日、2016年、男性患者に対する検査の診断結果に見落としなどがあり、治療が2年10か月遅れるミスがあったと発表した。男性は病状が悪化し、死亡した。病院は遺族に謝罪し、賠償金を支払うことで和解した。 発表では80歳代(死亡時)の男性は同年3月、下腹部の痛みがあり胸腹部CT検査を受けた。肺にがんが疑われる影があり、放射線科医が再検査を推奨する診断結果を作成したが、主治医の泌尿器科の40歳代(当時)の男性医師が見落とし、明らかな異常所見がないと判断した。

 また、16、17年には定期受診で白血球、血小板の数値が高い値だったが、特段の対応をしなかった。男性は、改めて18年に同病院血液内科を受診した際、肺に異常が見つかった。翌年肺がんと診断され、その後治療を受けたが、22年3月に死亡した。 同病院は、肺への異常を認識した後、診断に至った経緯を見直していた。同年には、県弁護士会や専門家ら複数の外部委員を交えた調査委員会を設置。適切な治療が行われなかったことにより、がんの診断が遅れ、余命に影響したと結論づけた。同病院では、14年以降、検査の診断結果の見逃しによって、患者の死が早まったとされる事例が他に5件判明しており、再発防止策を講じてきた。

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