山梨ヌーボー解禁、かつぬま新酒ワインまつりで甲州市観光大使の小林幸子が乾杯

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山梨県産ぶどうで造る新酒ワイン「山梨ヌーボー」が11月3日に解禁された。山梨県甲州市の甲州市勝沼ぶどうの丘で開かれた「かつぬま新酒ワインまつり」には県内外から1000人以上が訪れ、甲州市観光大使を務める歌手の小林幸子(72)が会場で乾杯した。小林は「待ちに待った解禁ですよね」と話している。

解禁日の勝沼ぶどうの丘に1000人以上

かつぬま新酒ワインまつりは、新酒の解禁に合わせて甲州市勝沼ぶどうの丘が開く催しだ。2026年の会場は甲州市勝沼町菱山5093の同施設で、時間は午前10時から午後4時まで。甲州市の案内によると、市内のワイナリー17社が新酒ワインの有料試飲と販売を受け持ち、フード屋台の出店も予定された。

会場の勝沼ぶどうの丘は、甲府盆地や南アルプスを見渡す小高い丘にある甲州市の施設だ。本館の地下にはワインカーヴがあり、甲州市推奨のワインおよそ150銘柄を、試飲用の容器「タートヴァン」を使って有料で試せる。最寄りはJR中央本線の勝沼ぶどう郷駅で、歩くと20分ほどかかる。

試飲料は税込み3000円で、オリジナルグラスと試飲チケット10枚が付く。グラスとチケットの販売は午前8時30分に始まり、グラスの販売は午後3時で締め切る決まりだった。先着の来場者には記念のトートバッグを用意し、チケットは施設内のワインサーバー用のシルバーコインとも交換でき、交換は当日に限られる。酒類の試飲と販売は20歳以上が対象で、車を運転する人には販売しない。

当日の様子は地元のテレビ局が伝えた。報道によると、甲州市内のワイナリーが醸造した山梨ヌーボーを目当てに、会場には県内外から1000人以上が集まっている。ぶどうの産地で開かれたイベントが大勢の人でにぎわったことはほかの報道でも伝えられ、会場には市内17のワイナリーから新酒40種類が集まったという。

小林幸子が勝沼に立つ理由

小林がこの日の会場に招かれたのは、甲州市の観光大使だからだ。甲州市は催しの案内で、「甲州市観光大使の小林幸子さん(歌手)」がオープニングセレモニーに駆け付けると告知していた。

縁は2022年11月にさかのぼる。小林はこの月から甲州市観光大使を務め、2023年2月には同市勝沼町に「さっちゃん葡萄園」を開いた。日本固有のぶどう品種「甲州」を育て、2023年9月には剪定(せんてい)から収穫までの作業に自ら加わっている。

その年の11月3日、同じ「かつぬま新酒ワインまつり」では、葡萄園で採れた甲州およそ1トンから造ったオリジナル白ワイン「ラスボスの雫」を1000本限定でお披露目した。名前は小林の愛称「ラスボス」から取っている。2023年のまつりでも、乾杯の発声は小林が務めた。

小林はふるさとの新潟県で米作りにも取り組み、2023年の時点で米とワインの「コラボもしたい」と語っていた。土に触れる活動は東京でも続いている。

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2026年の解禁の場で小林は「待ちに待った解禁ですよね」と話した。別の報道によると、小林は自身がオーナーの畑のぶどうで造った白の「ラスボスの雫」や、新たに加わった赤の「ラスボスの輝き」などの新酒を試飲している。取材では、新酒が小林の1979年のヒット曲「おもいで酒」になりそうかとも問われた。小林は、思い出は何年かたって振り返ったときに良さがわかるものだと答え、ワインと自分の人生を重ね合わせてほしいと話した。

山梨ヌーボーとは何か

山梨ヌーボーは、山梨県内でその年に収穫された日本固有のぶどう品種「甲州」か「マスカット・ベーリーA」で造る新酒ワインを指す。山梨県では、この2品種の新酒を「山梨ヌーボー」と名付け、解禁日を設けている。解禁日は毎年11月3日の文化の日で、この日から県内のワイナリー売店や酒販店などで一斉に売り出される。

甲州は白ワイン用として古くから日本で育てられてきた品種で、代表的な産地は勝沼町だ。生でも食べられ、醸造にも使える。マスカット・ベーリーAは、ベーリーとマスカット・ハンブルグを掛け合わせて生まれた赤ワイン用の品種で、こちらも生食と醸造の両方に向く。

山梨でのワイン造りは明治初期に始まり、およそ150年になる。県内には90社余りのワイナリーが集まり、国内最大のワイン生産量を持つ。山梨県は2019年8月7日に「ワイン県」を宣言した。

デラウエアなど、収穫の早い品種の新酒はすでに一足先に出回っている。品種ごとに収穫の時期が違い、新酒のできる時期もずれる。その中で、甲州とマスカット・ベーリーAの新酒に名前と解禁日を与えたのが山梨ヌーボーだ。

2026年のぶどうは「やや不良」の評価

山梨県ワイン酒造組合は1992年から毎年、県産ワインの原料ぶどうの作柄を5段階で評価する「ヴィンテージチャート」を公表している。2026年の評価は星2つ。5段階のうち下から2番目にあたる「やや不良」だった。

組合の講評によると、冬から春先は雨が少なく日照に恵まれ、ぶどうの木は健全な状態で芽吹いた。6月は梅雨で雨が多かったものの、大きな生育の障害は出ていない。7月から8月は記録的な高温と豊富な日照で、実の肥大や糖度の上昇は順調に進んだ。一方で、高温による実の日焼けや酸の低下、黒ぶどう品種の色づきの停滞への対応も迫られた。

講評で流れが変わったとされるのは9月だ。

9月からは長雨と日照不足が続き、収穫期の実を健全に保つのに苦労したという。組合は、畑や品種、収穫の時期による品質の差が大きく、適期の収穫と厳しい選果が例年以上に大事になったと説明する。健全な実を確保できた区画では一定の成熟感と果実味が期待できるとしつつ、県全体としては難しい気象条件に直面した年と位置づけた。

チャートで「やや不良」がついたのは2019年以来7年ぶりとなる。2025年は星4つの「やや優良」で、評価は2段階下がった。甲州市では解禁を前に、新酒の品質を確かめる審査会も開かれた。

11月15日には甲府で山梨ヌーボーまつり

山梨県ワイン酒造組合は、解禁日の11月3日に東京で「山梨ヌーボーまつり2026」を開き、15日には甲府市でも開く。どちらも山梨県内のワイナリー36社、およそ70銘柄の新酒を試飲し、購入できる。山梨会場は県民の日記念行事の中で開かれる。

催し日時会場有料試飲かつぬま新酒ワインまつり11月3日 10:00〜16:00甲州市勝沼ぶどうの丘3000円(グラス+チケット10枚)山梨ヌーボーまつり2026 東京会場11月3日 10:30〜14:30都立芝公園 4号地・多目的運動場ほか前売り3300円、当日4000円(グラス+チケット20枚)山梨ヌーボーまつり2026 山梨会場11月15日 10:00〜15:30山梨小瀬スポーツ公園(甲府市小瀬町)当日3000円(グラス+チケット20枚)

組合のまつりは入場無料で、雨天でも開く。台風などの荒天では中止となる。1回の試飲量は40ccで、ワインの価格によって必要なチケットの枚数が変わる。ワインが品切れになったときや入場者が多いときは、入場を制限する場合があるという。

組合は山梨ヌーボーを「今年の日本の収穫を喜び感謝し祝うワイン」と位置づける。天候に苦しんだ2026年の新酒は、解禁日の勝沼と東京に続き、15日には甲府の会場で味わえる。

[文/構成 by Webライター 真柴 ことね]

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