デベロッパーのCactile Gamesは10月13日、『Refund This Game』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。短時間でクリアしたゲームも返金できてしまうSteamの返金ポリシーに対する議論に反応するかたちで開発されたゲームだ。
『Refund This Game』は一人称視点で展開されるアクションゲームだ。“壺おじ”こと『Getting Over It with Bennett Foddy』に代表される、困難な操作で頂点を目指すスタイルのゲームとなっている。プレイヤーはさまざまなオブジェクトが点在するフィールドを棒高跳びのポールで移動。ポールはオブジェクトに刺すことができ、しならせることで高くジャンプすることができる仕組みだ。

本作の目標は「2時間以内にクリアして返金すること」だ。画面上部には2時間のタイマーが表示されている。そのことを強調するように実績には「2時間以内に登頂する」「返金時間を超えてプレイした」といったようなものが用意されている。執筆時点の実績取得率を確認すると、2時間以内の登頂に成功したプレイヤーは2.6%、2時間を超えてしまったプレイヤーは9.3%となっている。ちなみに、「約24分で登頂」などさらに上位の実績も存在しており、クリア後に返金せずとも繰り返し楽しめるようにもなっている。
a huge inspiration for this game was the discourse surrounding Steam’s refund policy this summer (and @indiegamejoe’s thread on it!)
we celebrate player’s right to refund games, and we wanted to create something that invites players to give it a shot, no strings attached. https://t.co/cOICwuY1wU
— dofhouse (@dof_house) September 20, 2026
Cactile Gamesと共同で本作を手掛けたdofhouse氏は本作のインスピレーション元として、今年7月ごろにSteamの返金ポリシーをめぐってSNS上で議論が巻きおこったことを挙げている。議論の発端となったのは、協力プレイ対応のボート漕ぎゲーム『パドルパドルパドる』の開発者Mateo Covic氏によるX投稿だ。同作はSteamユーザーレビューで『非常に好評』ステータスを獲得していたものの、販売本数の21%にあたる5万5000件以上の返金があったと明かした(関連記事)。投稿にはゲームを褒め称えながらも「返品済み」の表示が確認できるレビューのスクリーンショットが添えられていた。
This should not be possible @Steam
Would be cool if you could finally do something about your refund policy… Got dozens of reviews like that and 21% refund rate even though the Reviews are 90% very positive…
Thats over 55,000 Refunds btw… pic.twitter.com/fSiuHjGRnD
— Zoroarts 🦈 Paddle Paddle Paddle OUT NOW (@Zoroarts) July 5, 2026
Steamの返金ポリシーとしては原則購入から2週間以内、かつプレイ時間が2時間未満であれば理由を問わず返金を受け付けるとしている。一方で、返金制度の濫用は禁止されており、Valveが濫用と判断した場合には返金が認められない可能性もある。つまり購入から2週間以内に、2時間かからずにクリアできてしまうような短いゲームはクリア後にも返金条件を満たしてしまう。Covic氏の投稿には多くの開発者などが反応しており、クリアしているのに返金リクエストをするユーザーのモラルや、ゲームのボリュームや価格の調整などの議論が活発になっていた。
dofhouse氏はこうした出来事を受けて、本作の開発に至ったとのことだ。同氏はSteamの返金ポリシーを歓迎しており、「プレイヤーが気軽にその仕組みを試せる何かを作りたかった」と述べている。

なお、『パドルパドルパドる』のCovic氏についても、返金制度には100%賛成であり、投稿についてはクリアして好評レビューを残しながらも返金した人たちに向けたものだと後に語っている(Gamesradar+)。ゲームをクリアし好評レビューを送るほど楽しんだうえで、“無料でプレイすること”を目的とした返金について、モラルを問うたかたちだろう。Xでのゲームキュレーターとして著名なIndie Game Joe氏も、そのような行為はマナー違反だと批判しつつも返金制度自体は必要との見解を自身のブログに投稿している。
このように制度の詳細については議論が続いている。一方で、基本的には購入者を守るために必要だという意見がみられるSteamの返金ポリシーについて、あえて「クリア後の返金」を推奨するようなゲームが登場したわけだ。ある意味でSteamの返金制度への“挑戦”ともとれる本作。返金制度を試してみたい方は、2時間以内のクリアを目指して一度遊んでみるのもよいかもしれない。なおもし返金する場合には、本作以外にも別のタイトルを返金している場合、Steamのサポートに今後濫用扱いされる可能性がある点については留意されたい。
『Refund This Game』はPC(Steam)向けに配信中だ。
