(CNN) 米国の消費者に不利益が及ぶ――。そんな理由からロシアの製油所への攻撃をやめるようウクライナに圧力を強めるトランプ米大統領と政権幹部だが、ウクライナ国内の米国企業に対する最近のロシアの攻撃については沈黙を守っている。

ロシアはここ数カ月、米国企業関係の施設への攻撃を激化させてきた。攻撃の矛先はウクライナ国内の民間インフラ全般にも向けられている。

在ウクライナ米商工会議所のアンディー・ハンダー会頭によると、コカ・コーラやペプシコ、マクドナルド、オレオなど、米国を代表するブランドの施設がミサイルやドローン(無人機)の被害を受けた。

ハンダー氏はCNNに対し、ロシアは以前から有力な米国企業を妨害しようとしてきたものの、「ここ数カ月のような事態は目にしたことがない」と語る。

「ドローンやミサイルの直撃を受けている。それも何度もだ。米国の企業を狙っているというメッセージを発しているようなものなのに、ホワイトハウスからは何の反応もない」

そのうえで「こうした攻撃をやめさせる必要がある。攻撃を受けて標的になっているのは米国の権益や米国の資金、米国の投資家だ」と訴えた。

ロシアのドローン攻撃を受けたマクドナルドの倉庫の現場で活動する消防士=9月25日/Sergiy Chalyi/Reuters
ロシアのドローン攻撃を受けたマクドナルドの倉庫の現場で活動する消防士=9月25日/Sergiy Chalyi/Reuters

ロシアのドローンが9月上旬に首都キーウ郊外のコカ・コーラ工場を攻撃した際、ウクライナのゼレンスキー大統領は、攻撃は米国に対する「明確なメッセージだ」と指摘した。

ゼレンスキー氏は3日夜の動画での演説で「きょう、ロシアはコカ・コーラの工場をドローンで攻撃した。ロシアにとってコカ・コーラは、シャヘドで焼き尽くすほどの敵になったということだ」との認識を示した。シャヘドとはイランが設計したドローンを指す。

「これはロシアから米国への明確なメッセージだ。米国企業だということをロシアが認識していないはずがない」とも指摘した。

ゼレンスキー氏がXへの投稿で明らかにしたところによると、ロシア軍はその後、マクドナルドが使用している倉庫を破壊するために「攻撃用ドローン」を投入した。マクドナルドのウクライナ法人も声明で、「9月25日、キーウ州にある提携先の物流企業によって運営されている倉庫がドローン攻撃の被害を受けた」と認めた。

ゼレンスキー氏は「ごく普通の食料品に対して攻撃ドローンが使われた」と投稿。「ロシアは絶えずエスカレーション作戦の対象を広げている。米国などの企業、データセンター、インターネット接続事業者――。ロシアにとっては、人々の日常生活そのものが攻撃目標だ」と非難した。

マクドナルド、メニューを縮小

マクドナルドのウクライナ法人は、倉庫への被害を受け、店舗で提供するメニューを縮小していると明らかにした。

ペプシコも8月下旬の声明で、ウクライナ南部ミコライウ州の生産施設が被害を受けたことを認めた。ただし、死傷者は出ていない。

米国務省の元高官はCNNに対し、攻撃を受けている現状や「繰り返し標的にされている事実」をどこまで公表するかについて、米国企業の間では意見が分かれていると語った。

ハンダー氏も同様の認識を示し、「一部の企業からは商工会議所にこの問題を取り上げてほしいという声が上がっている」ものの、「非常に慎重な」企業もあると説明した。

トランプ大統領は昨年8月、ロシアによる米電子メーカーの工場への攻撃について質問され、ロシアのプーチン大統領に「不快感」を伝えたことを明らかにしていた。

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