訴訟の現地調査のために解体工事が約1カ月中断していた旧香川県立体育館で、調査期間を終えた直後の10月15日に解体工事が再開された。工事関係者らが朝から作業を始める様子が確認されたことをRSK山陽放送が伝えた(こちらの記事)。訴訟の原告である旧香川県立体育館再生委員会が再三求めてきた知事らとの直接対話の場は、ついに設けられることがなかった。RSKの報道によると、10月15日から建物内に使用されたアスベストの除去が始まり、本格的な解体に取り掛かるのは1か月以上先になるとみられるという。また、県は、中断による工期への影響はないと答えたという。
旧香川県立体育館(2026年8月26日撮影、写真:旧香川県立体育館再生委員会)
旧香川県立体育館再生委員会による現地調査は9月14日にスタート。コンクリートの圧縮強度の調査やボーリング調査などを行い、最終予定日前日の10月13日に終了していた。今後、調査データをもとに、裁判所が選んだ専門家が「鑑定」の結果を出すまでには2~3カ月かかるとみられる。再生委員会は鑑定の結果が出るまでは工事を再開しないよう県議会に請願を提出しており。請願の採決は10月16日に行われる。請願が否決された場合、次は、裁判所の仮処分が発動されるかが山となる。
解体が中断する前の現場に掲示されていた工程表。2026年9月から地上部の躯体解体に入る予定だった。県は、約1カ月の中断による工期への影響はないとしている(写真:宮沢洋、赤丸は筆者が加筆)
解体工事が再開される前日の10月14日夜、原設計者の子息で2012年の耐震診断も担当した丹下憲孝氏は、改めて声明文を発表した。

丹下氏は声明文の最後に、検証結果に基づいてしかるべき検討がなされるまでは解体工事を見合わせてほしい、と書いている。しかし、この要望も黙殺された形だ。
なお、本サイトで9月4日から続けてきた緊急連載「旧香川県立体育館に思う──アーキテクトボイス50」は、県が調査期間終了後ただちに解体工事を再開することが予想されたため、42人目の石上純也氏(10月14日公開)でいったん休載としている。(宮沢洋)
この機に、ぜひこれまでの意見集をご覧ください。42人の一覧ページはこちら↓。
