おつかれさまです。
パリの高校生暴動の続報になりますが、コロナ禍の頃、辻家に時々、遊びに来ていた二コラ君が、今、ちょうど高校生でして、彼にちょっと話を聞く機会がありました。
補足的に、彼の意見をまとめてみます。
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日本のニュースでもネットでも、郊外に住む移民の子たちが暴れている、ということにもなりつつある昨今ですが、どうも、それもちょっと誤解を与えかねない報道かもしれません。
二コラ君は、朝、普通に学校に行きます。
そうするとデモに熱心な生徒たちが、朝の6時くらいから集まり、校門を封鎖しています。
二コラ君が通う高校はパリ中心部にあり、割と裕福な家庭の子が多い学校です。
学校側は、朝の状況を見て、休校、を判断するようです。
しかし、休校になるかどうかは、学校に行かないとわからないので、二コラ君は、毎日学校に行くそうです。全校生徒がそこに集結する感じですが、門はバリケードで封鎖されているので、中には入れず、休校。その後、親にはメールが届くようです。
ただ、みんな長い時は4時間くらいその場に残って、参加とまではいかないまでも、様子を見ている子たちも多い、のだとか・・・。
二コラも毎朝その場で、みんなの様子を見てから、自宅に、帰るんだそうです。
「郊外の移民の子たちが中心部まで来て暴れているというニュースが日本のネットとかで出ていたけれど、そうなの?」
「うーん。そういうのもあるけれど、実際、郊外の学校はひどいんですよ。生徒の数の椅子もないし、校舎が水浸しだったり、ネズミが走りまわっていたり、教師がいなかったり、とにかく劣悪なんです。僕の学校はパリ中心部だから、特に問題はないんですが、なんで、ぼくの学校でもこんなに校門が毎日封鎖されるのか、というと、郊外の学校だけが声を上げても政府は動かないから。パリの学校もそのような環境にある子たちに連帯をしているんです」


ということで、小学生だった二コラ君、もう高校生なんですよね。
一緒に、NHKのテレビ「ボンジュール、パリごはん」で豆ごはんのおにぎりを作った時のことを思い出します。あれは、2021年でしたっけね。
近況を聞けてうれしかったけれど、うちの子もそうですが、フランスの若い子たちは、欧州も分断の中にあるし、未来がわからず、かなり不安がっているのが実情かもしれません。
フランスも来年、大統領選挙がありますが、極右、極左が真っ二つに割れている感じで、どうなるのか、見えませんね。移民を排斥したい若者もいることはいますが、若い子たちは意外にも移民の子たちと連帯をしようとしている子たちも多い、その勢いが大学に飛び火している感じで、医学大学でも、今日、大きなデモがありました。
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このデモの火種は、もしかすると、大統領選挙まで、なんとなく、続くのじゃないか、と感じています。
今は、学生たちの不満が、大人に飛び火しようとしている気配もあるし、今日、知り合いの画廊のギャラリストに会ったのですが、デモ隊と商店主たちが、殴り合いをした、と言ってました。大人たちは、商売の邪魔をするな、と叫んでいた、ということで、この問題は根っこが深いです。
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とはいえ、パリは穏やかなんです。
暴動はいつもニュースでそこだけ切り取られて大きく報道されてしまいますが、パリ全域が火の海じゃないんですよ。ご安心ください、ぜんぜん、穏やかでしたよ。
パリは、普通に観光客の人たちが楽しそうにカフェでお茶をしています。ぼく自身、今日は中心部の日動画廊まで絵を届けに行ったり、打ち合わせでオデオンの画廊の人と会ったり、17区の会計士さんの事務所に行ったり、市内をかなり移動しましたが、デモには遭遇していません。
学生は朝、動きますし、土日はデモはないです。来週、火曜日に大きなデモが予定されているので、日本からの観光客の皆さんは、大使館の情報に耳を傾けてください。
そして、仮に遭遇しても、デモには近づかないことです。
また、ご報告しますね。




父ちゃんの独り言、&、近況のようなもの。
パリに来ると、打ち合わせだらけで、大忙しです。
今月22日からのモダンアートフェアは、日動画廊さんのブースで、父ちゃんの絵を展示しますので、参加される皆さんは、日動画廊を目指してくださいね。
オデオンのとある画廊の常設展に、ぼくの小さな絵が飾ってあるんですが、今日、ちょっと見に行ってきましたが、うれしかったです。これは宣伝をしないで、自然に、引き取られるのを待とうと思っています。
小さな声で、えいえいおー。

Posted by 辻 仁成
Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。