パナソニックスタジアム吹田に乗り込んで迎えたガンバ大阪戦は、上位争いに生き残っていくために勝点3を持ち帰らなければならない重要な一戦。過密日程の5連戦を14得点1失点の4勝1分で乗り切り、自分たちのめざすスタイルを具現化しながら結果を積み上げてきた青赤軍団にとっては、現状の勢いをさらに加速させていきたいゲームとなる。

一週間のインターバルを経て臨む今節、松橋力蔵監督は先週末のスターティングイレブンから3選手を入れ替え。ゴールキーパーにキム スンギュ選手、最終ラインは右から室屋成、アレクサンダー ショルツ、稲村隼翔、長友佑都の4選手が並んだ。ボランチは常盤亨太選手と古巣との対戦になる高宇洋選手のコンビ、アタッカーは右に安斎颯馬、左に本間至恩の両選手を配し、マルセロ ヒアン選手と長倉幹樹選手が2トップを編成した。また、今節終了後に第20回アジア競技大会に出場するU-21日本代表へ合流する永野修都選手がベンチ入り。“ゲームチェンジャー”となれる選手が数多くメンバー入りするなど、総力を挙げてアウェイで勝利を狙うことになった。

試合当日が40歳の誕生日となった長友選手は、試合前日に「誕生日に試合があるのは巡り合わせとしては持っていると思うけれど、本当の意味で持っているかどうかを手繰り寄せるのは自分自身でしかない。勝利という結果で祝いたい」とコメント。自身の節目となる記念日に一戦必勝の構えで臨む覚悟を明かしていた。自らの存在価値を示しながら勝点3獲得に貢献できるかに注目が集まるところだ。

東京に比べて気温、湿度ともに高くなっている大阪の地で上層のアウェイスタンドを埋め尽くしたファン・サポーターは、試合前から「俺たちは止まらない!」、「自分を信じていれば勝利はついてくる!」とチームを鼓舞。青赤ファミリー一丸となって試合に臨んだ。

1st―多彩な攻撃と安定した試合運びで1-0で折り返し 

立ち上がりから積極的なサッカーを見せる東京は開始早々の前半3分、スンギュ選手のロングフィードを長倉選手が頭でつなぐと。本間選手が力強くロングレンジのドリブルでゴールライン際まで持ち上がっていく。さらにスンギュ選手のキックからヒアン選手が単騎で抜け出し、あわやのシーンを生み出す。流麗なポゼッションだけでなくシンプルな形でもチャンスを生み出していった。

的確なサイドチェンジから中央で細かいパスワークで攻め込むなど、長短のパスを織り交ぜながら攻める東京。縦パスや一瞬のダイレクトプレーをスイッチにして複数の選手が絡んだ攻撃を見せ、攻撃のリセットをいとわずに主導権を握りながら試合を進めていく。

前半15分には自陣深い位置から稲村選手が斜め前方にグラウンダーの長いパスを供給。巧みに身体を入れ替えたヒアン選手が持ち上がって右に展開すると、安斎選手がフェイントを入れながらマイナス方向に折り返し。相手の虚を突くパスとなったが、ギリギリのところで相手の足が伸びてカットされ、こぼれ球を狙った長倉選手のシュートもブロックされてしまう。

その後も速攻と遅攻を使い分けながら厚みのある攻撃を仕掛けていく東京。高い位置で攻め込めばボールをロストしても即時奪回を図り、G大阪がロングボールとクロス主体のアタックを見せてもボールの出先で冷静に対応して相手に決定的なチャンスを作らせない。

多彩な攻撃を生み出していく東京は前半24分、絶妙なタイミングで右サイドを駆け上がったショルツ選手からのパスを安斎選手が左足で狙ったが、これは惜しくもゴール左。続く同25分には相手のビルドアップが乱れたところをヒアン選手が狙ってドリブルで独走。だが、ゴールキーパーとの1対1を決めきることができず、立て続けのビッグチャンスで先制点を奪うことができない。

決めるまで打ち続ければいい──。そんな覚悟を見せながら焦れずに攻め続けてきた東京が、ついに先制のネットを揺らす。スンギュ選手のファインセーブでピンチを逃れた直後の前半38分だった。

自陣でつないだボールをヒアン選手が力強い高速ドリブルで持ち上がり、左サイドで並走していた本間選手にパス。ここで背番号19の柔らかいワンタッチのグラウンダーのクロスボールにファーサイドから入り込んだのは安斎選手! 全身でゴールに押し込むような気迫の一撃で東京が先手を奪った。

その後もG大阪に自由を許さず、奪った瞬間のファーストタッチを攻撃の起点になるようなパスに転じさせながら攻めていく青赤。3分間と表示されたアディショナルタイムも立て続けのコーナーキックで敵陣に押し込んでクローズ。数多くのチャンスを作った東京が1点のリードで前半を折り返した。

2nd―鮮やかな連携から追加点。攻守が噛み合った東京が2-0で勝利

ハーフタイムにボランチを入れ替えてきたG大阪に対し、東京はリードしている状況で異例の3枚替えを敢行。長友選手、本間選手、ショルツ選手に代えて、バングーナガンデ佳史扶選手を左サイドバックに、佐藤恵允選手を左アタッカーに、森重真人選手をセンターバックに投入。新たな組み合わせで勝利を手繰り寄せにかかった。

選手を入れ替えても強度を高く攻めるスタイルは変わらない。そして次にゴールネットを揺らしたのも青赤だった。

後半7分、稲村選手の縦パスを長倉選手がワンタッチのフリックで前方へ。これに抜け出したヒアン選手がペナルティエリア内で相手選手を引きつけてラストパスを送ると、パスアンドゴーで駆け上がってきた長倉選手がフリーで流し込んでゴール! 鮮やかなパスワークで東京が良い時間帯に追加点を奪うことに成功する。

ホームで意地を見せたいG大阪が球際激しく仕掛けてくるシーンが増えたが、東京は各所で数的優位を作りながらプレスを回避。逆に相手がポジションを動かしてきた裏を突くようにスピードアップしたパスワークで流れるようなサイド攻撃を見せていく。

後半22分には次なる選手交代をセレクト。追加点を決めた長倉選手に代わって俵積田晃太選手を左アタッカーに投入し、佐藤選手が2トップの一角に入った。松橋監督が試合前日に「まだいろいろなオプションが頭の中にある」と話していたとおり、ヒアン選手と佐藤選手が最前線で並ぶ新しい組み合わせを織り込んでいく。

立ち位置の妙は攻撃だけでなく守備でも効果を出していく。それぞれが的確にパスコースを潰して相手の攻撃を封じて自由を奪っていく。パスを出された先でもタイトに締めることで決定機を許さない。

全員が気を抜くことなく戦い続けることでビッグチャンスを引き寄せる。後半37分、佐藤選手が猛烈なプレスバックを仕掛けてスライディングでボールを奪うと、これを受けた俵積田選手がドリブル突破からスルーパス。ループ気味に狙ったヒアン選手のシュートは相手ゴールキーパーに阻まれてしまったが、東京らしい攻守をシームレスにしたサッカーで見どころを作り出した。

2点のリードを守ったまま終盤を迎えた東京は後半41分、松橋監督が最後の交代カードをセレクト。ヒアン選手に代えてサイドバックが本職の石原広教選手を右アタッカーのポジションに送り込み、安斎選手が2トップの一角へ。前線からの守備をさらにタイトにしていくことで試合をクローズしにかかった。

4分間と表示された後半アディショナルタイム、相手が圧力を強めてくる展開でもしっかりと中央を固めながら時間を進めてタイムアップ。ガッチリと攻守が噛み合った青赤が2試合連続のクリーンシートで2-0の勝利を収め、『眠らない街』の凱歌が響きわたるなかで東京へ勝点3を持ち帰ることに成功した。

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、自分たちがボールを持っている時も持っていない時も、しっかりとイニシアチブを握ったゲーム展開ができたと思っています。欲を言えば、大差で勝てるゲームでもあったなかで、そこをしっかり決め切れないところが、終盤までゲームプランも含めて難しいものにしていくのかなと。ここまでの多くのゲームでも、大差をつけて勝てるようなチャンスや決定機は作っています。ただ、そこを決め切れないことで難しい部分が出てきてしまうので、非常に難しい問題ではありますが、そこにまたフォーカスしながら次の準備をしていきたいと思います。

Q、選手交代の意図について教えてください。
A、少し身体に異変を感じている選手が何人かいたので、できるだけ早いタイミングで交代させるというところは、ベンチでも話した上での判断です。

Q、課題である守備面で安定感が増しているように見えます。稲村隼翔選手の成長についてどのように感じていますか。
A、ここで課題というふうには言いません。彼の一つの強みでもあると思っていますし、あのポジションは硬さや強さというものが本当に要求されます。一つのエラーが失点になってしまう、本当に難しいポジションですが、彼は1試合1試合を重ねるなかで、徐々に成長しています。彼の強みにもなってきていると思いますが、そういう彼を見たうえで対戦する今度の相手も、これからの相手も、そこをどう攻略していくか、どう勝っていくかというところになれば、さらに高いハードルが待っていると思います。ただ、そういう相手にもしっかりと勝って、そういう壁を乗り越えて、さらに良い選手になっていくチャンスだと思って、自分らしく戦ってほしいと思います。非常に素晴らしい活躍をしていると思っています。

Q、攻撃でも守備でも選手同士の距離感やポジショニングが非常に良かったように見えました。チームにはどのように落とし込んでいますか。
A、『立ち位置』とは言っていません。我々が求めているのは、良いつながりを持ったポジションです。一人の選手がずれたり、ポジションを変えたりすることによって、それに連動して良い距離感でプレーできれば、攻撃でも守備でもそれぞれの局面で表現することが可能になると思います。そのため、決まった立ち位置というよりは、自分たちが攻撃している時であれば、作り上げていくなかでのズレに対してみんなが反応していく。それに対して相手が出てきてくれるようであれば、一発で背後を狙っていくところもしっかりと合わせたうえでの『距離感』という形で選手には伝えています。

Q、その距離感や目線をチーム内で合わせていくために、どのような工夫をしていますか。
A、もちろん、まずはアナリストが相手チームをしっかりと分析してくれるなかで、相手がどう出てくるかを見ています。我々が準備していたことが、今日のゲームのなかでは局面的に非常に少なかった部分もありました。ただ、ゲームのなかで相手がどう出てくるかをしっかり見たうえでの距離感というものは、選手たちのなかでも合わせていますし、ハーフタイムにも少し伝えながら、みんなで目線を合わせていくという作業はしています。

Q、今日40歳の誕生日を迎えた長友佑都選手をスタメンで送り出しました。ハーフタイムで交代しましたが、先ほど話された身体の異変を感じた選手の一人に含まれていたのでしょうか。
A、まず、年齢を感じさせない本当に素晴らしい活躍をしてくれたと思っています。ハーフタイムで交代しましたが、そこまで大きな問題というよりも、次の試合ももちろんありますし、そういう状況になれば、少しでも良い状態の選手を送り出すという判断です。今は誰が出ても、チームとしてしっかりと表現できています。そこは迷わず、何かがあれば次の選手がどんどん出ていく、そういう状況です。現時点で、何か大きな問題があるという報告はありません。

安斎颯馬選手

Q、試合を振り返ってください。
A、本当に大きな勝点3だったと思います。パナソニック スタジアム 吹田ではなかなか勝てていませんでしたし、簡単なゲームではありませんでした。そのなかで、みんなでしっかり戦い、勝点3を持ち帰ることができて良かったと思います。

Q、得点シーンを振り返ってください。
A、良い形でカウンターに入ることができました。あの形は東京の強みだと思いますし、パスが来ることを信じて走りました。本間至恩選手から良いボールがきたので、最後は流し込むだけでした。

Q、東京らしいハードワークが見られました。どのような意識でプレーしていましたか。
A、ハーフタイムでの交代もあり、本当に総力戦でした。簡単なゲームではないことは分かっていたので、自分が少しでもチームのために動き、誰かの負担を減らせるように意識していました。それが90分を通して戦えたことにつながったと思います。

Q、前線でも後方でもプレーしました。複数のポジションで貢献できる点についてどう考えていますか。
A、90分戦うなかではいろいろなアクシデントがあります。前でも後ろでもチームを助けられることが自分の強みだと思っています。どのポジションであっても貢献できるように、常に準備しています。

Q、終盤の守備ではどのようなことを意識していましたか。
A、まずはしっかり中央を閉じることを意識していました。最後は身体を張ることや、セカンドボールを拾うことなど、とにかく中央を固めることを意識していました。

Q、攻守が噛み合っている現在のチーム状況をどのように感じていますか。
A、本当に後ろの選手たちが粘り強く、力強く守ってくれています。それに加えて、ボランチ、両サイドの選手、マルセロ ヒアン選手、長倉幹樹選手も含めて、全員で本当にハードワークできていると思います。そこはこれからも継続していきたいです。

マルセロ ヒアン選手

Q、今日の試合を振り返ってください。
A、ゴールを奪えて、結果も出せていますし、失点をしていないこともとても大事だと思います。この流れを続けて、もっと多くの試合に勝っていきたいです。

Q、1点目の場面を振り返ってください。
A、京都サンガF.C.戦の時にもあったような形で、良いパスコースを見つけることができました。自分が相手のセンターバックを引きつけて、本間至恩選手のためのスペースを作ることができました。自分がより近い位置まで入ったところで本間選手にパスを出し、そこから安斎颯馬選手につながって、1点目をとることができました。

Q、2点目の場面についてはいかがですか。
A、長倉幹樹選手がワンタッチでつないでボールを収めてくれました。彼はいつも最後までプレーを諦めない選手なので、自分もそこに合わせてスプリントしました。実際に彼が見えていたというより、『きっとそこにいる』と思って出したパスでしたが、うまくつながってゴールになりました。

Q、自分自身にも得点のチャンスがありました。
A、自分もゴールを決めたかったです。2回チャンスがありましたが、決め切ることはできませんでした。ただ、一番大事なのはチームが2-0で勝ったことです。自分としてもアシストで貢献できましたし、これからも良い結果を続けていきたいです。

Q、味方がゴールを決めた時、とても嬉しそうにみんなで喜んでいました。
A、いつも話している通り、僕たちは全員がFC東京のためにプレーしています。だから、誰がゴールを決めても自分は嬉しいです。ピッチに立っている仲間がゴールを決めれば、みんなで一緒に喜びたいですし、それが一番大事だと思います。そういう姿勢がピッチ内でのエネルギーにもなりますし、全員で一緒に喜べる一体感を感じています。

Q、次の試合に向けてお願いします。
A、今日の試合はもう終わりましたし、勝つことができました。これから東京に戻って、次の試合に向けた準備に切り替えます。今日が素晴らしい試合だったとしても、もう次に向かわなければいけません。次の試合でも勝って、また勝点3をとれるようにしたいです。

バングーナガンデ佳史扶選手

Q、どんな指示を受けて、どんなことを意識してピッチに入りましたか。
A、前半の途中くらいから「出番がきそうだ」と言われていました。チームが1点とった状況で、前半の最後の方は少し引き気味になって相手に攻められているシーンがありました。僕自身、2試合ぶりのゲームでしたが、自分がピッチに入った時には、チームとして良い流れでもう1点をとりにいけるようにしたいと考えていました。前半からサイドバックのところがフリーになるシーンが多かったので、自分からの斜めのパスだったり、あそこで時間を作れると思っていましたし、そこは意識して試合に入りました。

Q、誰が出ても良いサッカーができるチームになってきたように感じます。佳史扶選手自身、そのなかでどのように力になりたいと思っていますか。
 A、サイドバックは守備でしっかり守るということが大前提としてあり、今このようにクリーンシートが続いているなかで、さらにアシストや得点といった数字の部分にサイドバックが関わっていければ、チームとしてより攻撃的なサッカーができると思います。今はそういう部分が毎試合出ていると思うので、僕もサイドバックの選手としてどんどん前線のプレーに関わっていきたいですし、出番がきた時にはチームに良いアクセントをもたらせるようにしていきたいです。

Q、長友佑都選手や橋本健人選手ら、本当にレベルの高いサイドバック陣での競争ができていると思います。
A、本当に日頃の練習から橋本健人選手、長友選手、室屋成選手、石原広教選手とレベルの高い練習ができています。それぞれ特長が違うので、誰かがスタメンに出ていたとしても、途中から入ったサイドバックの選手が違うアクセントや攻撃の変化を出せています。自分も、普段の練習からどんどん自分の特長を出していきたいです。

Q、今日はご自身の良さは出せましたか。
A、自分としてはどうしても数字(結果)を残したかったです。コーナーキックを蹴る場面があり、今日は3本蹴りましたが、3本蹴ったら1本は必ずゴールに繋がるような質を求めていきたいです。流れのなかでのプレーでも、もっと結果に繋がるようなクロスボールを上げたかったですが、まずはチームが勝ったことが一番です。個人の結果は次回に持ち越しですが、しっかりと数字で結果を出したいです。

 

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