9月10日、ダラスで開催された共和党全国大会で演説するトランプ大統領(写真:AP/アフロ)
[ロンドン発]11月の米中間選挙が迫る中、ドナルド・トランプ米大統領は9月9日、共和党が上下両院選で多数派を維持すれば成人の米国民すべてに1人当たり5000ドル(約77万円)の現金をバラまくという異例の「配当」構想をぶち上げた。
単年度でGDP比3.5%以上に相当する1兆2000億ドルの出費
米国の10年債利回り(長期金利)は「危険水域」とされる5%に迫っている。
米国の超党派財政監視団体「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」のマヤ・マクギニアス委員長と政策・予算分析チームは9月10日付で、成人の米国民すべてへの5000ドル給付は単年度で国内総生産(GDP)比の3.5%以上に相当する1兆2000億ドルの出費になると試算している。
同委員会によると、トランプ氏が財源として示唆する新規の関税収入は年間2000億ドル未満。しかも、この関税収入はすでに財政赤字の見通しに織り込まれている。5000ドル給付の財源に回せば、同じ収入を二重に見込むことになる。
このバラマキが実行されたら27年度の基礎的財政赤字は当初予想の7800億ドルから一気に2兆ドルへと倍以上に増える。利払い費などを含めた連邦全体の総財政赤字は3兆1000億ドルに達する見通しだと同委員会は警鐘を鳴らす。
