
スコット・ベセント米財務長官(2026年6月3日撮影)。(c)Brendan SMIALOWSKI/AFP
【AFP=時事】米国のスコット・ベセント財務長官は24日、イランと取引をする国や企業に対する「二次制裁」を拡大すると発表し、イランを孤立させ「経済的窒息」に追い込むと主張した。
米国とイランは戦闘終結に向けた覚書で合意したが、双方による攻撃が続き、ホルムズ海峡の通航再開のめどは立っていない。こうした中、米国は経済制裁で局面の打開を図る狙いだ。
米財務省によると、拡大された二次制裁はイランのデジタル資産や技術、金、航空、海運部門が対象。また、イランの資金洗浄(マネーロンダリング)を支援する団体は「米ドルのシステムから排除される」と警告した。さらに、イランの兵器調達や石油取引などに関わる約60の団体や個人、船舶が制裁対象に指定された。
他方、今回の発表で二次制裁の具体的な対象となる第三国や企業、また今後のスケジュールについては明らかにされていない。
ベセント氏は会見で「我々の目的は、この専制政権を支える経済的生命線を絶つことだ」と述べ、「全ての対象者に責任を負わせる。今回の措置はイラン政権に対する経済的窒息だ」と強調した。
ベセント氏によると、ドナルド・トランプ米大統領は世界各国の指導者に電話をかけ、イランとの取引を停止するよう求めたという。
中国の銀行が新たな制裁の対象になるか問われたベセント氏は、「米国の制裁の手が届かない場所はない」と答えた。
ピート・ヘグセス国防長官は24日、記者団に対し、今回の経済制裁が軍事攻撃の選択肢を狭めることはないと強調し、「ホルムズ海峡やイラン周辺での武力攻撃の使用を排除することは決してない」と述べた。
一方、イランのアリ・マダニザデ経済相は24日、「われわれはこうした計画を長い間予期しており、政府は準備を整え、事態に対処できる2年間の計画を有している」と語り、今回の制裁には効果がないと主張した。
ただ、イラン国民が米国の制裁により経済的な影響を受ける可能性は高い。イランでは深刻なインフレが続き、年末年始にかけて大規模な反政府抗議デモが拡大した。
国際紛争に関するシンクタンク「国際危機グループ」のアリ・バエズ氏は「米国が(イランに)実質的な痛みを与える能力に疑いはないが、イラン側はそれを吸収する高い耐性を備えている上、金融圧力に対して軍事的な対抗圧力で応じる可能性もある」と分析した。
【翻訳編集】AFPBB News
